カフェインレスコーヒー(デカフェ)が飲めるチェーン店まとめ
とにかくコーヒーが大好きで日に何杯も飲む。ガブガブと飲む。そんなコーヒーに含まれるカフェインは、かつては身体に悪影響を及ぼす代表選手のように言われることもあった。だがいまでは適度な摂取はむしろ身体に良い、という研究結果が通説になってきたようだ。ただし過剰な摂取となると、やはり身体への負担が大きいということに変わりはないだろう。
実は僕は自分でもごく軽微なカフェイン中毒かなあと疑うようなところがあるのだ。頭痛とか胃痛とかめまいとか顔面紅潮とか。さいわい寝つきが悪いということはなく、いつでもどこでもことりと眠れる。が、眠りの質はおそらくとても浅い。寝ても寝ても果てしなく寝不足気味なのもおそらくそのせいかもしれない。
もちろん身体の不調がそっくりカフェインの副作用だということはないし、当然コーヒーだけに原因や責任を押しつけるつもりもない。ことに僕の場合、糖尿病の症状ともまったく無関係とはいえないわけだから。まあだけど少し意識してカフェインの摂取量を控えようとは思っているのだ。たとえば家で飲むコーヒーは薄く薄く淹れる、外出先でコーヒーを飲むときは何度かに一度はカフェインレスのコーヒーを飲む、という具合に。
ありがたいことに昨今の大手コーヒーチェーン店では、比較的手軽にカフェインレスコーヒーが楽しめるようになってきた。もしメニュー表に記載がなくても、たとえばカウンターで「デカフェありますか?」というふうに訊くと、ちゃんと用意されている場合もある。もっとも味については、ノンアルコールビールが美味しいかまずいかという議論が尽きないように、カフェインレスコーヒーはまずいとかただの茶色いお湯、なんて貶している意見をたびたび目にする機会もあるけどね。
一方で、そうと言われなければわからないレベルだとか、むしろ積極的に美味しいという感想だってちゃんとあるのだ。カフェインレスコーヒーを作る技術がだんだんと進化して以前より格段と美味しくなったのか。それともまずいのと美味しいのが単純に混在しているだけなのか。そのあたりの本当のアレは僕にはわからないけれど、僕的にはカフェインレス全然ありだなあ、という意見に与する。
カフェインが身体にあわないけどコーヒーは飲みたい人へ。夜どうしてもコーヒーを飲む習慣がある人へ、そして眠れなくなる人へ。僕のように過剰なカフェインの摂取を気にしてる人へ。あとよく言われる妊婦さんや授乳中の女性へ。デカフェ(カフェインレスコーヒー)が飲めるコーヒーチェーン店はどこなのか、そのあたりのことを少しまとめてみたのでよければご利用ください。僕自身、コーヒーを飲まないという選択肢については極力考えたくはないのだ。
- スターバックスコーヒー
- ドトールコーヒー
- エクセルシオールカフェバリスタ
- タリーズコーヒー
- 星乃珈琲店
- カフェ・ド・クリエ
- 猿田彦珈琲
- ファクトリー&ラボ 神乃珈琲
- コメダ珈琲店
- 上島珈琲店 (2019.8追記)
- ところで「デカフェ」とは何かというと?
スターバックスコーヒー
コーヒーチェーン店最大手のスタバでは、カフェインレスコーヒーのことを正式にはディカフェと表記する。デカフェではなく小さい「ィ」が間に入るのだ。でも注文カウンターで「デカフェ」および「カフェインレス」と言えば、スタッフもふつうに「デカフェですね」と応えてくれる。ドリップコーヒーのみならず、スターバックスラテをはじめモカやカプチーノなど、すべてのエスプレッソビバレッジにおいて+50円でディカフェに変更可能なのがありがたい。さすがスタバで他チェーンではなかなかそこまでメニューが豊富ではない。
コーヒーの香りや味わい、風味はそのままにカフェインだけを取り除く、化学物質を使わない除去方法CO2 Method(二酸化炭素抽出法)を採用しました。
このCO2 Methodによって、カフェイン除去率99%を実現しながらも、これまでと変わらぬ味わいをお楽しみいただけます。(公式サイトより)
抽出に5分ほどかかりますのでお席の方で7分ほどお待ちください、ご用意が出来ましたらお持ちいたします。と言われ、大人しく席で待っていると、ほどなく先ほどのスタッフがテイスティングカップにデカフェのアイスコーヒーを容れて「よろしかったらお待ちの間どうぞ」と持って来てくれた。とってもうれしいサービスだった。ただしこれはスタバ全店共通のサービスというわけではないようだ。冷たくてむしろこれがいちばんおいしかったかも。
スタバのディカフェの味は、僕は通常のドリップコーヒーと遜色ないように思われた。まあ個人的にスタバの濃いドリップがそれほど好きではないので、カフェインを抜いたことでかえってクリアな味になったかなあと思ったくらいだ。
ドトールコーヒー
ドトールコーヒーでもそれまでのホットのカフェインレスコーヒーに加え、2016年6月からやはり店舗限定ではあるがカフェインレスアイスコーヒーの発売を開始した。
コロンビア産のアラビカ豆100%を使用した香り高く、コク深い味わいのカフェインレスアイスコーヒーです。二酸化炭素抽出法の採用によりカフェインのみを94%以上除去しました。
コーヒー本来の味わいをお楽しみいただけます。(公式サイト)
これでいまのところ(2018.5現在)メニュー表にあるのは、ホットではカフェインレスコーヒー、カフェインレスカフェ・ラテ、カフェインレス豆乳ラテの3種いずれもSサイズのみ。アイスドリンクではアイスコーヒー、アイスカフェ・ラテ、アイス豆乳ラテ、アイスハニーカフェ・オレのカフェインレス4種でこちらはサイズがそれぞれ選べる。ただしくれぐれも全店舗で提供されているというわけではないので、店舗検索の際に条件面の絞り込みをするのを忘れないように。
ちなみに注文カウンターで、「デカフェありますか?」と尋ねたらところ、「デカフェはお取り扱いがないのですが、こちらのカフェインレスでしたございます」ととても愛想のよい(皮肉ではなく)答えが返ってきた。一瞬ずっこけそうになったが、まあ正確にはデカフェとカフェインレスはまったく同じってわけでもないので、あながち間違った返答ということではないのだ。念のため。
ドトールコーヒーのカフェインレスコーヒーは、ふつうのホットブレンドコーヒーと同じ値段のSサイズ220円の安さがウリ。そして驚いたことにここは紅茶などでお馴染のティーバッグで提供される。出てきたときにはすでにある程度抽出された状態のが出てくるので、「2分ほどしたらティーバッグを引き上げてください」と言われる。
ティーバッグの紅茶と同様、最後カップの底に粉っぽい上澄み液のコーヒーが残る。味は可もなく不可もなく、そもそもドトールのコーヒーはふつうのブレンドコーヒー自体がとっても薄味だからねえ。まあ僕は嫌いじゃないし、なんといっても安いから。カフェインレスだからといって追加料金がかからないのもよい。
エクセルシオールカフェバリスタ
ドトールの系列で一般的なドトールのちょっと上級カフェがエクセルシオールカフェ。で、このバリスタはそれのさらにもう1ランク上をめざしたドトールの新業態という感じ。全体的にシックな雰囲気が漂う店内。値段も全体的に高め設定。バリスタにはホットのみカフェインレスコーヒーの提供がある。サイズはR(レギュラー)とL(ラージ)の2種類。値段はRが430円Lサイズが480円。通常のブレンドコーヒーはR380円なのでカフェインレスにすると+50円ということになる。
ちなみにエクシオールカフェバリスタはまだ都内にもかぞえるほどしか店舗がなく(2018.5現在)、いずれ記事にまとめたいと思っているが、ここで飲んだシングルオリジンの「ルワンダ レメラ ブルボン ウォッシュド(ルワンダ)」(430円)はめちゃめちゃ僕好みですこぶる美味しかった。
タリーズコーヒー
タリーズのデカフェは、店内ではコーヒープレスで提供しますとサイトには書いてあるが、僕は運が悪いのかタリーズ店内でコーヒープレスで提供されたことが実は一度もない。まあでも考えてみたら客にコーヒープレスで提供する理由って実際それほどなくて、スタッフが厨房でセットしてプレスまでやってくれたものをカップで出してくれればそれで済む話だとも思うのだ。負け惜しみのようにも聞こえるかもしれないが、あえて言えば気分の問題かとも。
タリーズコーヒーが厳選した、エチオピア産コーヒーの持つフルーティーな味わいを出来るだけ損なわないよう、マウントウォーター製法を採用。95%以上カフェインをカットし、豊かなアロマと口あたりなめらか、深い甘みが広がる味わいに仕上げました。
一部店舗で、デカフェで抽出したエスプレッソドリンクをご提供している。なおデカフェに変更するには+60円かかる。なんだけど、本日のコーヒーはふつう320円でデカフェプレスにすると360円。その差は40円なんだよね。エスプレッソじゃないから? かなあ。きっとそうなんだろうけどね。
あと、これあまりデカフェ事情とは関係ない話なんだけど、紙のカップで飲むコーヒーと店内用のマグカップで飲むコーヒーとでは、飲むコーヒーそのものの味は同じはずなのにちょっと違うふうに感じることがあって、それは熱いコーヒーが触れる先がテイクアウト用の紙カップ容器の小さな飲み口と、マグカップの比較的広範囲な部分とでは、明らかに口内の接触部分が異なるからかもしれないなあ、などといったどうでもいいことをこの日は考えながら歩いていたのでした。
それからコーヒープレスで抽出されたであろうデカフェは、最後に少し粉っぽさが残った。味は本日のコーヒー同様やや濃いめ。
星乃珈琲店
星乃珈琲店阿佐ヶ谷店でカフェインレスコーヒーを注文すると、同行者のアイスカフェ・ラテが先に運ばれてきた後、全店共通の接客マニュアルだったかその店独自の言い回しなのかそのスタッフ独自の言い回しなのか(星乃珈琲あまりにも久しぶりだったので忘れちゃったけど)、「ただいまドリップしておりますのでもう少々お待ちください」と言われる。でもそれはなにもカフェインレスコーヒーの場合に限った言い回しでもないふうで、フードメニューが先に運ばれてきた他の客にも同じように言ってるのが聞こえた。きっとていねいに一杯一杯ハンドドリップで淹れてくれてるんだろうなあと穏やかな気持ちになる呪文のようでもあった。実際それほど待たずにコーヒーは出てきた。
レギュラーコーヒーの美味しさをそのままに、バランスとボディ感のあるカフェインレスコーヒーです。カフェインを気にされる方にお奨め。(メニュー表から)
店の雰囲気があまりにいいので気分の問題と言えるのかもしれないけど、僕はここのカフェインレス珈琲かなり美味しいと思った。星乃珈琲店、きっともっともっと大きくなるだろうなあ。
カフェ・ド・クリエ
個人的にふだんカフェ・ド・クリエを利用することはめったにないが、カフェインレスコーヒーが飲めるということで小雨降るなか四ツ谷まで出向いた。まあ良くも悪くも特にこれといった特徴がないコーヒーチェーンという印象。それはこれまでもいまもそれほど変わらない。逆にコーヒーチェーンとしてはそれこそが堂々たる個性なのかもしれない。
カフェインを97%除去したコーヒーをカフェプレスで楽しめます
エチオピア産コーヒーをブレンドしており、程よい酸味とコクのある味わいです。(公式サイトより)
注文カウンターでカフェインレスコーヒーと言うと、まもなくフレンチプレスにセットされたコーヒーと空のコーヒーカップが出てきた。
カフェ・ド・クリエのカフェインレスコーヒーの味は可もなく不可もなく、だけどフレンチプレスで提供されるという楽しみがあって、ふだん家で飲むコーヒーはドリップやコーヒーメーカだという人にはコーヒープレスというだけで何割か増しの美味しさがあるかもしれませんね。僕もそうでしたから。ただ、やはり最後には少し粉というかコーヒー滓が残るのが玉に瑕かなあ。
猿田彦珈琲
ご存じ東京・恵比寿に本店を構えるスペシャルティ―コーヒー専門店。スタバ同様デカフェに小さい「ィ」が入る発音だ。ディカフェはホットでもアイスでも対応可。試しに「デカフェで」と注文してみたらふつうにそれでオーケーだった。
カナダにあるスイスウォーター社の独自プロセス「スイスウォータープロセス」によってカフェインレス処理されたコーヒーです。
この処理では水以外の化学物質を使わないため、人体に対して悪影響を一切及ぼさないうえ、99%以上のカフェインを除去できます。(公式サイトより)
値段はショートサイズ460円、トールサイズ550円。ショートは本当に小ぶりのカップなのでアイスだとあっという間に飲み切ってしまうかもね。ちなみにその他のエスプレッソメニュも+100円でディカフェに変更可能なのだそうだ。
恵比寿にある猿田彦珈琲アトレ恵比寿店はいつ行っても混雑しているが、注文カウンターに並んでいるとフロア担当のスタッフがメニュー表を手渡してくれながら、「きょうは店内でお召し上がりになりますか?」と尋ねてくれた。あとの予定までにはまだもう少しだけ時間があったので出来るならそうしたい旨を伝えると、すぐさまソファー席をひとつ押さえてくれた。注文後5分ほど待ってディカフェが出来上がると、先程のスタッフが押さえておいてくれた席まで案内してくれた。
なにしろカフェにひとりで行って店内が混雑している場合、席の確保をどうするかということにいつも頭を悩まされる。先に荷物を置いて場所取りをしてから注文するか、あるいは先に注文を済ませてから空いている席を探すか。マナーや防犯意識の欠如といった社会通念上の問題もそうだが、なによりカップを持ったまま店内をうろうろする羽目になった苦い経験が僕には何度もあるのだ。そういった意味でも、猿田彦珈琲のスタッフの応対は本当にありがたかったなあと、ひとこと書き加えておきますね。
ファクトリー&ラボ 神乃珈琲
冗談みたいな本当の話だが、神乃珈琲の社長は菅野眞博さんという方。”菅野”だから”神乃(かんの)珈琲”なのだという。そもそも菅野さんは株式会社ドトール・日レスホールディングスの取締役である。そして「日本スペシャルティコーヒー協会(SCAJ)」の副会長の要職にある。ドトールグループのなかで異彩を放っているドトール珈琲農園や梟書茶房、フォクトリー&ラボ神乃珈琲などを仕掛けたのも菅野社長ならば、星乃珈琲店の珈琲の味を決めたのも菅野さんなのだった。おそるべしコーヒースペシャリスト。
こうやって写真で見るだけではこれがふつうのコーヒーなのかカフェインレスなのか、やはり区分けがつきませんよね。なのでいつものように証拠となるレシートを。同行者が注文したブレンドコーヒーの神煎やアイスラテ、テリーヌショコラやクリームホーンなどとともに、ちゃんとカフェインレス500円と印字されている。が、注目すべきはペーパーナプキンの端っこ。赤丸で囲った部分にボールペンで「レス」と手書きで書いてくれているのだ。つまりこのカップのコーヒーはカフェインレスですよという印というわけだ。
神乃珈琲は、皆様からのご要望にお応えして、この度カフェインレスコーヒーの販売をスタート致しました。
カフェインを94%カットしたコロンビア産のコーヒー豆を100%使用致しました。
カフェインが気になる方にも、いつでも楽しんで頂ける優しいお味になっております。(Facebookより)
クリアで優しい味。まさに神乃珈琲のカフェインレスコーヒーはそんな味でした。
神乃珈琲は学芸大学店、銀座店に続き、初の関西出店となる京都店を5月23日オープンさせたばかりだ。
コメダ珈琲店
長らくコメダ珈琲にはカフェインレスコーヒーがなかった。ところがこの6月から(ちなみに2018年)、お待たせしました、いよいよ、ついに、満を持してコメダでもカフェインレスコーヒーがはじまったのだ。
良質なコロンビア産の豆を使用し、カフェインを97%除去。(公式サイトより)
というわけでさっそく飲んでみた。というか、この日は本当はコメダの新メニュー「コメ黒」を試飲するつもりだったのだ。あ、コメ黒については少し説明がいるかもしれないね。元来コメダのブレンドコーヒーは砂糖とミルクを入れて飲むことを想定した味だったのですが、それをストレートで楽しんでくださいという新作が出て、それがコメダの「コメ黒」。黒というのはつまり「ブラックで飲んでね」の黒という意味だ。
ところがコメ黒を飲みながら、ミニシロノワールを食べながら、ときどきおまけの豆菓子も口の中に放り込みながらぼんやりとメニュー表を眺めていたら、コーヒーグループの端っこの方に、カフェインレスコーヒーの文字を発見。
思わず残りのコメ黒を一息に飲み干し、近くを通りかかった店員さんを呼び止め、カフェインレスコーヒーを追加注文してしまった。
520円というのはなかなか強気な値段設定だけど、なにしろコメダだからなあ。豆菓子もしっかりついてくることだし。コメダに免じて赦してやろうと思う。星乃珈琲にあるのにコメダにカフェインレスコーヒーがないなんて、コメダファンとしては絶対あってはならない由々しき事態だったものね。でもこれでもう安心。って、僕はべつにコメダファンでもなんでもないんだけどさ。とにかく、いろんなところでデカフェ(カフェインレスコーヒー)が飲めるようになるのは素晴らしくいいことだよ。
あと、これはカフェインレスコーヒーとはまるっきり関係ない別にどうでもいい話なんだけどさ、今回行ったコメダ珈琲は池袋駅の東口にある店舗だった。で、池袋駅周辺って面白いというか奇妙というか、駅の東口に西武デパートがあって、駅の反対側東口になんと東武デパートがあるのだ。東口に「西武」。西口に「東武」。ややっこしいけど、これ本当の話なんだよね。
あのコメダ珈琲についにカフェインレスコーヒーが登場したこと。早く周知されるといいなあ。
上島珈琲店 (2019.8追記)
上島珈琲店のことを僕はひそかに和製スターバックスと呼んでいる。それくらいおしゃれな珈琲店だということ。おしゃれではあるけれど、みたところ客の年齢層は本家のスタバより若干高め。店舗の外観だけでなく、店内も非常に落ち着いた大人の雰囲気が漂っているのだ。なんちゃらマキアートとかいうドリンクメニューがない代わりに、黒糖ラテとか和三盆のなんちゃらなんてのが並んでいるからそれも頷けるというもの。フードメニューにはクリーム大福もあるからね。お茶屋さんかよと(ホメてます)。
ちなみに僕らはいつも、上島珈琲店のことを親しみを込めて「上島珈琲」と呼び捨てのように言っているけど、正式には「上島珈琲店」と「店」がつく。まあドトールの正式名称がドトールコーヒーショップであるのと同じようなことですが。
ランチメニューはサンドイッチとサラダかスープがついて、それと希望のドリンクがセレクトできる。このセットドリンクでもカフェインレスコーヒーが選択できるのがうれしい。ただし、上島珈琲店のカフェインレスコーヒーにはふつうのブラックコーヒーというのがなくて、黒糖入りミルクコーヒーのアイスかホット、無糖ミルクコーヒーのホットかアイスの4種類なのだ。
独自の「ダブルネルドリップ抽出」により、カフェインレスでもコーヒーの重厚感がしっかりと味わえるミルク珈琲を実現しました。(公式サイト)
ミルクコーヒーには独特のこだわりがあり、一般的にはコーヒー液とミルクの比率が5:5のカフェオレタイプなのだが、上島珈琲店ではなんとダブルネルドリップコーヒー2に対してミルクが8。つまり2:8のこの比率はエスプレッソを使用する「カプチーノ」同様であるとのこと。
ダブルネルドリップという新しいプロレス技の名前のようなコーヒー液の抽出方式は、一度抽出したコーヒーを新たなコーヒー粉でさらにろ過・抽出する方式だそうで、2度目のろ過・抽出の際、コーヒー粉の粒子がフィルターと化しコーヒー液の余分な雑味と酸味を吸着するから、よりクリアな味になるということらしいですね。
ミルクの分量が多い分、正直味についてはカフェインレスコーヒーがどうこうよりもミルクが強く主張してるなあというふうに感じました。値段は無糖でも黒糖でも、ホットでもアイスでもMサイズ税抜き一杯400円で飲める。アイスは使い古された銅製のマグカップで提供されるのでそれだけでもちょっとテンション上がるよ。
ところで「デカフェ」とは何かというと?
本来、カフェインを含んだ飲食物からカフェインを取り除いたものをいう。デカフェ、ディカフェ、カフェインレス、ノンカフェ、カフェインフリーとも呼ばれることもある。 近年とくに健康上の理由や、遅い時間にカフェインを摂取すると夜眠れなくなるなどの生活習慣上の理由がある人、妊婦さんや授乳中の女性などから広く受け入れられるようになってきた。
カフェインレスコーヒーは製造の過程で大きく2つの方法に分類される。
①コーヒーの生豆からカフェインを取り除くいわゆる脱カフェイン法。
②はじめからカフェインを含まないコーヒーの生豆を栽培する。ただしこっちはまだ開発途上なのだそう。
更に①の脱カフェイン法のなかにも3つの分類があるのだ。
a.コーヒーの生豆を有機溶媒に浸してカフェインを抽出する方法。メディカルメソッド。有機溶媒にはジクロメタンが用いられることが多いが、安全面での不安があり、現行日本では禁止されている。
b.生豆を水に浸してカフェインを抽出する方法。ウォーターメソッド。
c.生豆を超臨界液体化した二酸化炭素に浸してカフェインを抽出する方法(ややこしそう)。
ウォーターメソッドにおいても、一旦水で生豆からカフェインを含む成分を抽出したあと、今度は有機溶媒を使ってカフェインだけを除き、薬を除去したあと最終的に残った成分をふたたび生豆に戻すという作業が行われる。具体的には聞いても読んでも難しくてよくわからない複雑な過程がありそうですが。直接生豆が有機溶媒に触れないで済むという安全面での優位性はあるらしいが、それがなぜなのかまではよくわからない。タリーズのマウントウォーター製法などは水とフィルターで濾過と書いてあるけど、薬品の類は使ってないのかな。あ実際どうなんだろう。
その点でCの二酸化炭素抽出法は、3つのなかでいちばん安全面で信用出来そう。なにしろ二酸化炭素そのものは空気中にふつうに存在する物質なので。ただし、この方法はコストが高いらしいのがデメリットなんだとか。これもなぜなのかまでは僕の勉強不足でよくわからない。
ところでデカフェというのは、そういった方法でカフェインのある飲食物からカフェインを取り除いたものをいい、でもカフェインの含有量は決して「0」ではないのだ。そしてカフェインレスという場合は、元から飲食物自体にカフェインが少なく含有しているものをさすことが一般的。ただしこちらも「0」ではない。デカフェは結果的にカフェインレスに含まれると考えても差し支えないでしょうね。となるとコーヒーのカフェインレスはいまのところ正確にはほとんどデカフェになるわけだが、そこはチェーン店ごとで各々異なった呼称が用いられているようだ。
ちなみにノンカフェインというと元々カフェインがまったく含まれていない飲食物のことをいう。いずれ種なし葡萄のようにカフェインをまったく含まないコーヒーノキが開発されたら、そのときは美味しいノンカフェインコーヒーがふつうに飲める日がやってくるかもしれませんね。もはやコーヒーである必然性があるのかという問題はさておき。
それまでは引き続きデカフェ(カフェインレスコーヒー)が飲めるコーヒーチェーン店を探して、この記事においおい追加していく予定です。お楽しみに。