ヒロシコ

 されど低糖質な日日

映画

映画『ジョーカー』ネタバレ感想~『ジョーカー』は『ロッキー』の逆ベクトルの映画だった

『ジョーカー』を見るまで、ホアキン・フェニックスさんはよくこの役のオファーを引き受けたなあと思っていた。だってジョーカーといえば『ダークナイト』のヒース・レジャーさんを置いて他にいないもの。役作りによほど勝算でもあったのだろうかと。結論か…

映画『天気の子』完全ネタバレ感想~『君の名は。』との比較は避けては通れないだろう

新海誠監督の最新作『天気の子』を見てきた。前作『君の名は。』同様ふたりの主人公が十代の少年少女だというので、おじさんの僕としてはもうそれだけで気後れしてしまうところがあったが、そこはどーんと開き直って居直り強盗になった気分で見てきた。ちょ…

『この世界の片隅に』ネタバレ感想~白木リンは実在しなかった!?

Amazonプライムビデオで『この世界の片隅に』を見た。実は劇場公開のときに見て以来、どこか釈然としない整理がつかない何かが、魚の小骨みたいに喉のあたりにひっかかっていた。当時は私的な事情もあり、ブログを事実上閉じていたので感想を書くことも叶わ…

映画『君の名は。』完全ネタバレ感想~運命とか結びとか片割れとか

新海誠監督の最新作『天気の子』の劇場公開を前に、Amazonプライムビデオで『君の名は。』を見た。その感想を二、三書いてみたい。といってもこの作品自体は3年前、劇場公開されるやいなやたちまち話題を呼び社会現象にまでなったものだ。いまさらあらすじや…

『ゴジラ キング・オブ・モンスターズ』完全ネタバレ感想~僕が見たいのはこんなゴジラじゃない!

『ゴジラ キング・オブ・モンスターズ』見たんだけど、う~ん、微妙でしたね。面白くないことはないが、なんだろうちょっと……というやつ。その要因をつらつら考えてみたので、自分の頭のなかを整理するつもりで項目別にいくつかまとめてみた。あらすじや作品…

映画『キングダム』ネタバレ感想~長澤まさみのむっちり感と大沢たかおの「んふっ♡」にやられる

映画「キングダム」公式サイト だいぶ時間が経ったけど映画『キングダム』を見たので感想を書いておく。これめちゃめちゃ面白かったです。文句なし。あ、ひとつだけ文句というか不満があるとすれば、見終わってすぐ続編が見たくなることくらいで、内容に関し…

映画『ボヘミアン・ラプソディ』感想~どんどんぱ、どんどんぱ!

『ボヘミアン・ラプソディ』を見た。すごくよかった。得もいわれぬ高揚感に体の奥底から震えをきたし、それがどんどんせり上がってくる感覚を抑えられなかった。あふれ出る涙を押しとどめることもできなかった。見終わって正直ぐったりなってしまったが、そ…

映画館に行くというと「お金があるんだね」と言われることが多いという話に僕も同意する

togetter.com はてなブックマーク経由で読んだ。読んだというかTogetterのまとめ記事なんだけど。ブックマークコメントも含めてフムフムという感じでまとめ読み。大本のツイートはこちら。 映画が趣味なんだけど pic.twitter.com/pKBTAEHWo7 — pon×2 (@ponpo…

映画『日日是好日』感想~シャーリー・マクレーン、アン・ハサウェイ、多部未華子

『日日是好日』を見た。にちにちこれこうじつ、と読みます。平日の昼間なのに窓口でチケットを購入しようとしたら、「最前列か前から2番目の席がひとつだけ空いてますが……」といわれた。こんなことならリザーブしとくんだったなあと思ったけれど後の祭りだ。…

映画『クワイエット・プレイス』ネタバレ感想~これ読んだら即死だからね!

「音を立てたら、即死。」という惹句にやられる。ホラー映画という触れ込みだが、もし『呪怨』系のホラーを想像して見るのをためらっているのだとしたら、それは見当ちがいでもったいないですよ、といいたい。逆に『呪怨』系のホラーを期待して見に行ったら…

クマのプーさん実写映画『プーと大人になった僕』ネタバレあり感想~何もしないことで忙しい

実写版「クマのプーさん」というのも驚きである。もちろん異論はあるだろうが、プーさんといえばディズニー史上ミッキ・ミニーに次ぐ人気キャラクター。さすがにミッキーの実写版なんてのは未来永劫ありえないだろうから、いわばディズニー映画の実写版シリ…

広瀬すず/映画『SUNNY 強い気持ち・強い愛』ネタバレ感想~韓国版との比較あり

「サニー」韓国版(原作)と日本版(リメイク)のいちばんの大きな違いは、韓国版では例の “ エライザ事件(仮称) ” があった当日の夜、サニーのメンバーたちがスジの家の前に集合しているところへ、最後に遅れてイム・ナミが駆けつける。メンバーの誰かが…

映画『君の膵臓をたべたい』完全ネタバレ感想~浜辺美波さんが超可愛いから2億点オーバー

つくづく映画はビジュアルだなあと思う。主役の山内桜良を演じた浜辺美波さんが超可愛くて、こっちは見ているだけできゅんとなったりニヤニヤしてしまった。まったく、成人した子どもが2人もいるおっさんが、よりによって17歳の女の子つかまえて超可愛いもき…

映画『カメラを止めるな!』これほどの多幸感に包まれた映画を見たのはいつ以来だろう

『カメラを止めるな!』これほどの多幸感に包まれた映画を見たのはいつ以来だろう。それを思い出そうとするより先に、僕はいっしょにこの映画を見に行った大学生の下の子に話しかけずにはいられなかった。向こうも同じ気持ちだったらしく、どこかへ場所を移…

なぜミライちゃんは未来からやってきたのか?~『未来のミライ』完全ネタバレ感想

細田守監督の最新作『未来のミライ』を見た。はじめに正直な感想を書くと、「くんちゃん好きくな~い!」と主人公くんちゃんがごねる声が残響となっていつまでも耳を離れない映画、ということに尽きる。まああまり望ましいい現象とはいえませんが。それだけ…

映画『万引き家族』ネタバレ感想~松岡茉優はなぜ万引きをしなかったのか?

カンヌ国際映画祭パルムドール受賞作『万引き家族』を見た。是枝裕和監督。僕はとっても面白かったですね。見てよかった。実は映画を見たのは公開後間もない頃だったのに、あれこれ考えて感想書くのをずっと先延ばしにしてきた。 映画「万引き家族」本予告編…

高畑勲監督の遺作『かぐや姫の物語』を劇場公開の時に見た感想とか日記とか

宮﨑駿さんと共に長年スタジオジブリを支えてきた映画監督の高畑勲さんが4月5日永眠した。高畑さんの死去にともない、遺作となった『かぐや姫の物語』が5月18日「金曜ロードSHOW!」で放映される。同番組では4月13日に急きょ予定を変更して高畑さんの代表作…

『ゴッホ~最期の手紙』と『運慶展』

夜には雨が降るでしょうと天気予報はいっていた。久しぶりの休日で午前中はゆっくり寝て過ごし昼前に折りたたみ傘を携帯して家を出た。向かう先は上野。陽は差していないけれど風がないぶん思ったほど寒くは感じなかった。上野での目的はふたつ。ひとつはで…

『ブレードランナー2049』少しネタバレ感想~結局ブレランは『猿の惑星』になってしまうのか?

『ブレードランナー2049』(ドゥニ・ヴィルヌーヴ監督)を見た。いわずと知れたリドリー・スコット版の続編。前作は2019年の未来の世界を描いたSFだったがその2019年もうかうかしているうちにあと1年余りと迫ってきた。あの頃の未来に僕らは立っているのだろ…

『猿の惑星:聖戦記(グレート・ウォー)』結末まで完全ネタバレ感想~まだまだ猿の惑星にはならないかもよ

『猿の惑星:聖戦記(グレート・ウォー)』を見た。「創世記」「新世紀」と続く『猿の惑星』プリクエル(前日譚)三部作の第三弾。面白いよねえこのシリーズ。すごく楽しかった。返す返すも本作が最後だなんて寂しい限りです。「そして(地球は)猿の惑星と…

『ドリーム』ネタバレ感想~時代の扉を叩き壊した3つのハンマー

『ドリーム』を見た。時代はまだ米ソ冷戦期の1960年代。宇宙開発においても互いにしのぎを削る両国。人工衛星の打ち上げ成功で一歩リードしたソ連に対しアメリカのNASAでは有人宇宙計画(マーキュリー計画)へのプレッシャーがますます高まっていた。その宇…

『ダンケルク』(クリストファー・ノーラン監督)感想~イギリス版「二百三高地」みたいな話

『ダンケルク』(IMAX版)を見た。第二次世界大戦のさなか。迫り来るヒトラーのドイツ軍によってフランス北部の小さな港町ダンケルクに追い詰められた英仏連合軍40万人の兵士たち。陸地の三方を包囲され残された脱出経路は船でドーバー海峡を渡りイギリス本…

カズオ・イシグロ『わたしを離さないで』ネタバレ感想~ベストセラー小説の映画化

今年のノーベル文学賞(10月5日発表)は長崎県出身の日系イギリス人作家カズオ・イシグロさんに決まった。まったく予期してなかっただけに驚きとともに率直に言ってうれしい。イシグロさんの代表作とされる『日の名残り』も『わたしを離さないで』も僕の大好…

『新感染ファイナル・エクスプレス』ネタバレ感想~ゾンビと遷ろうメタファー

ヨン・サンホ監督の『新感染ファイナル・エクスプレス』を見た。素晴らしい! 面白い! 大傑作といってもいいんじゃないかなあ。とんでもなく怖いしなぜか笑えるし随所で泣かされる。まさに五感を刺激されまくりのハイスピードムービーだった。感嘆すべきB級…

『サマーウォーズ』感想(劇場公開時の感想です)

8月18日の金曜ロードSHOWには『サマーウォーズ』が登場する。もはやこのアニメ映画のテレビ放映も日本の夏の風物詩となりつつある。ということはさておき、こっちも恒例になりつつある「僕が以前やっていたブログからこの映画を劇場公開時に見たときの感想を…

ジョディ・フォスター『君がいた夏』感想~夏の終わりに見るべき映画とミスチルの1thシングル

ただいま公開中のdocomoのCМご覧になりましたか? 「Mr.Children&docomo 25周年ムービー」と銘打たれたそのCМは25年前の夏の渋谷のスクランブル交差点から始まる。主演の高橋一生さんと黒木華さんの出会いと別れ再会そして結婚・出産・子育て・単身赴任を…

夏の土用の丑の日のうなぎと『her/世界でひとつの彼女』~あるいは代替品といわれるものの悲しみについて

昨日7月25日は夏の土用の丑の日だった。例年わがやでは、商店街の外れにある割烹の店先で焼いているウナギの蒲焼きと白焼きと、それに肝の串焼きを少しだけ買って家族4人で分けあって食べることにしている。今年の土用の丑の日はおもいのほか蒸し暑さ全開で…

映画は途中からでも構わず見て次回見はじめたところまで見て帰るのが当たり前だった

映画が好きだという人は僕の周囲にも案外たくさんいる。そういう人と話をするとたいてい家のテレビやパソコン・タブレット・スマホ等でDVDやBlu-rayを見たり映像配信サービス(AmazonプライムビデオとかWOWOWオンデマンドとか)で好きな時間に好きな映画を見…

金曜ロードSHOW!「2週連続 夏はジブリ」第1弾『借りぐらしのアリエッティ』第2弾『思い出のマーニー』ネタバレ感想

7月7日と14日の2夜連続でジブリの『借りぐらしのアリエッティ』と『思い出のマーニー』が金曜ロードSHOWに登場する。そこで僕が以前やっていたブログから2作品を劇場公開時に見たときの感想を一部加筆修正して再投稿します。この企画もできれば恒例にしたい…

『ロッキー』シリーズを一度も見たことがない人が世の中にはいるのだという衝撃(ネタバレ注意)

若い人と映画の話をしていたら、これまで劇場やテレビやDVDなどで『ロッキー』シリーズのどれかひとつでも一度として見たことがない、という人がいて衝撃を受けた。けれどまあ、その人もなんとなくストーリーは知っているという。『ロッキー』という映画は新…