チキンライス島日記その5 / 川を越える
チキンライス島 7月13日(月)
フータさんから教わったDIYレシピをもとに作ったたかとびぼうで、念願かなって島の未だ足を踏み入れたことがない川向こうの世界へ初めて渡ることができた。テレビで見た棒高跳びのオリンピック選手がやる要領で、たかとびぼうを水底に突き刺し勢いよくジャンプしたときは、ちょっぴり怖さもあったけれどそれにもまして爽快感が半端なかった。跳ぶことの爽快感もそうだけど、これでこの島を征服したような、そんな気分にさえなった(もちろん幻想なんだけどね)。
ずんずん走り回ったなあ。それから他のことには脇目も振らず、ひたすら雑草取り。いったん集めた雑草をまめきちさんのところへ売りに行き、すぐ舞い戻って今度は生まれて初めて化石を掘った。他にも魚を釣ったり虫を捕ったり。今のところそれほどレアな収穫はなかったけれど、島のベースキャンプへ戻って、まずはフータさんのところで寄贈できるものを寄贈し、それ以外はまめきちさんに売ってベルを稼ぐ。まあ、しばらくはこんな生活の繰り返しかなあ。
フータさん、虫や魚の調査のためこの島にやって来たというのに、僕が集めた虫をフータさんのところへ寄贈に行くと露骨に気持ち悪そうな顔をする。きっと虫が苦手なんだと思う。虫が苦手な虫博士。超面白い。あの顔を見るためだけにせっせと虫を捕まえてフータさんのところへ通いたい。
夜、浜辺を散歩してたらゆうたろうさんという幽霊にバッタリ遭遇して驚いた驚いた。それ以上に向こうが気絶せんばかりに驚いてたけどね。驚きすぎてタマシイが分散して飛び散ったらしい(そんなことがあるのか)。島で人間と出会ったのが初めてだって。さすが無人島。ゆうたろうさんから分散して四方八方に飛び散ったタマシイ(5個)を集めてほしいと頼まれる。不承不承協力することにした。
島中をくまなく探し回り、飛び散った5個のタマシイをしょぼいあみを使ってどうやらこうやら集め終わる。お礼に僕には分不相応な高額の家具をもらうが、今はまだテント暮らしだし、やっぱり家、建てるかなあ。たぬきちさんに相談してみるか。今日はもう疲れたので寝る。