ヒロシコ

 されど低糖質な日日

東京都内のブルーボトルコーヒーを全店舗訪問したのでそのまとめ

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カリフォルニア州オークランドで誕生したブルーボトルコーヒーは、浅煎りの新鮮なコーヒー豆を焙煎してから48時間以内に提供することを至上命令にしているという。その焙煎作業を一手に担うべき日本1号店を、2015年2月東京都江東区にオープンした。清澄白河ロー スタリ-&カフェである。以来、新鮮なコーヒー豆を注文を受けてから一杯ずつ丁寧に淹れるドリップ式スタイルを貫き、客は注文時に名前を聞かれコーヒーが淹れ終わると名前で呼ばれ取りに行くというセルフ式を採用。巷では「コーヒー界のアップル」「サードウェーブコーヒーの旗手」「意識高い系コーヒーチェーン」などとさまざまな評判を呼んできた。

ブルーボトルコーヒーは戦略的に都心の要所要所を、つまり人気エリアを着実に押さえつつ、街の喧騒からやや離れた場所や少し奥まった路地裏みたいな場所をあえて選んでじわじわと浸透している。そんなふうにチェーン展開を試みながら、各々の店舗は必ずしも画一的とはいえないところが面白い。建物の見た目。内装。店舗限定メニュー。だが同時に青い瓶(ブルーボトル)のロゴマークに象徴されるシンプルでミニマムなイメージと、ホスピタリティ溢れる接客は全店舗で共有しているようにみえる。場所の選定から既存建築物のリノベートにまつわるストーリー、一杯のコーヒーを提供するまでの一連のメソッドを含めたトータル的な意匠について、概ね好意的に受け入れられているようだ。

ところが、肝心のコーヒーの味となるとなかなか高評価ばかりとはいかない。味の好みはまちまちだとはいえ良くも悪くも酸味が強いという意見が大半を占め、なかには酸っぱいという辛辣な拒否反応も少なくなくある。そういう僕も清澄白河に1号店ができてからというもの、新しい店舗が誕生するたび足繁く通っては折々のコーヒーを飲んでみた。家では日に何杯もコーヒーを飲むため自然と苦味の少ない薄味のコーヒーを淹れて飲むようになった僕には、ブルーボトルコーヒーの味はどちらかといえば好みの味に近いとも言える。それをあえて「後を引く酸味」だと僕は表現したい。

一口目はとても口当たりよく美味しい。でも飲み続けているうちにだんだんと酸味が増してくるようになり、飲み干すころには少し酸味が勝ち過ぎるかな? と感じることもある。おそらく提供されるコーヒー一杯の分量とも無関係ではないだろう。他のコーヒーチェーンのようにブルーボトルではカップのサイズが自由に選べない。他店のトールサイズに相当しそうな大きめのカップがレギュラーサイズとして提供されるため、ふだんショートサイズを選ぶ僕には一時に飲むコーヒーの分量としてはたぶん多いのだろうと思うのだ。にもかかわらずしばらくするとあの酸味が懐かしくなり、ふと気づいたらまた店を訪れているというわけだ。後を引く美味しい酸味。そんなブルーボトルコーヒーの味を求めてやまないのだ。

 

中目黒カフェ 

国内5号店。店舗の名称は「中目黒カフェ」とはいうものの、東急東横線の中目黒駅と祐天寺駅のちょうど中間地点にあり、どちらの駅から行っても同じように10分程度歩く。都合がいいのか不便なのかわからない微妙な立地。中目黒駅からのルートは、山手通りをニトリの角で曲がって駒沢通りに入ると、あとは目黒区役所を右手に見ながらブルーボトル中目黒カフェまでずっとなだらかな上り坂が続く山岳ルートになる。なので個人的におすすめなのは祐天寺駅からの平坦なルートだ。駅を出たら祐天寺駅通りを駒沢通りまで抜け、信号を渡ると左折してそのまましばらく歩いていけば例の青い瓶のマークに遭遇する。

初めて僕が中目黒カフェを訪れたのは3月の終わり。春の中目黒といえば花見。目黒川の桜は今年も満開で、川の両岸には人気のブランドショップやおしゃれなカフェが所狭しと軒を並べ花見客を出迎えていた。

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花見もそこそこにブルーボトル中目黒カフェへと向かう。駒沢通りの坂を上っていくと、こんな感じの三角屋根とトレードマークの例の青い瓶が見えてきた。なんともおしゃれ。

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バーカウンター(厨房)の奥にある中二階は、トレーニングスペースやカッピングなどができるワークショップスペースとして活用とのこと。

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同じくその下の半地下は開店当初はギャラリーとして活用していたようだが、僕が訪れたときはご覧のとおり、あたかも革命のための計画を練る秘密のスペースみたく、というかふつうに飲食できるエリアになっていた。この半地下へ降りていく手前の踊り場のようなスペースにも飲食スタンドがある。

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入口を入って右手の壁面にある物販コーナーも充実。

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この日僕が注文したのはブレンドコーヒー「ジャイアント・ステップス」(¥450)だ。

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バリスタが丁寧にドリップしてくれているところ。「写真撮ってもいいですか?」と尋ねると、「もちろんいいですよ」と気さくに応じてくれたイケメンのおにいさん(顔は写ってませんが)。

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席数が限られているため出来上がりはテイクアウトできるよう紙コップでお願いした。「ジャイアント・ステップス」はブルーボトルコーヒーの定番ブレンド3種のうちのひとつだ。酸味が売りのブルーボトルにあって比較的苦味というか渋みというかコクが深いような感じがする。結局、淹れたてのコーヒーを店の外に設えられたカウンターで飲んだ。

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【店舗データ】
〒153-0061 東京都目黒区中目黒 3-23-16
席数 8 席+半地下や店外カウンター
営業時間 8:00~19:00
東京メトロ日比谷線「中目黒駅」徒歩10分
/東急東横線「中目黒駅」「祐天寺駅」いずれも徒歩10分

 

 

三軒茶屋カフェ

国内7号店。おしゃれな街として若者に人気な三軒茶屋にあって、栄通り商店街というどちらかといえば昔ながらの趣き残る商店街の、これまたうっかり通り過ごしそうな途中の脇道を入った突き当り奥まった場所(いわゆる旗竿地)に三軒茶屋カフェはひ・っ・そ・りとあった。プレスによれば築50年の診療所をリノベートした建物らしい。そういわれてみるとなおさら他のブルーボトルコーヒーの倉庫や工場っぽさとは異なり、いかにも町の診療所然とした佇まいが色濃く感じられる(ような気がする)。

入口を入ってすぐ正面のバーカウンターと厨房をぐるりとコの字型に迂回した先が客席。手狭な客席のほぼ三方をコンクリートの壁面に覆われながら息苦しさを感じないのは、庭に面した一面が開放的なガラス扉になっているからだろう。そのガラス扉の向こう側に緑豊かなテラス席がある。まるで箱庭を眺めながらコーヒーを飲んでいる気分になるのだった。また店舗正面の路地つまり旗竿地の竿に当たるところに、かつてお風呂屋さんや駄菓子屋さんの表にあったような縁台が2つ3つ並んでいる風情がなんとも懐かしい。

前述のとおりバーカウンターから直接客席は見えないしその逆も言えるわけで、そのせいかブルーボトルコーヒーでは珍しく、他のコーヒーチェーンのようにふつうに店内のテーブルでコーヒーを飲みながら勉強したり本を読んでる人の姿が見られるのが三軒茶屋カフェの特徴かもしれない。

栄通り商店街を歩いていくとさりげなく目につくおなじみの看板。この突き当り奥がブルーボトルコーヒー三軒茶屋カフェだ。

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この日は暑かったのでアイスコーヒー「コールドブリュー」(¥500)をテイクアウト用のプラスチック容器で注文。コールドブリューとは水出しコーヒーのこと。お湯でドリップしたコーヒーを氷で冷ますのではなく、じっくり時間をかけて水でドリップしたもの。なので氷で薄まる心配もなくコーヒー本来の風味が味わえる抽出方法なのだ(とか)。冷たくて適度に酸味が効いてとっても美味しい。ちなみにブルーボトルのアイスコーヒーにはこの「コールドブリュー」とオーガニックな砂糖&ミルクを加えた「ニューオリンズ」という水出しコーヒーの2種類がある。

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三軒茶屋には、並み居るコーヒーチェーンやこだわりのカフェが多数店舗を構えている。下の写真とくにスマホでは小さくて(しかも遠景で)わかりづらいが、上段左からスターバックス、コロラド、ドトール、伽羅、上島珈琲、喫茶店セブン、星乃珈琲、蔵味(イタリアントマト)、サンマルクカフェなどなど。新宿や六本木や青山あたりではごく当たり前の見慣れた光景かもしれないが、都心から放射状に延びた私鉄沿線の駅周辺という限られたエリアに、これだけのコーヒーチェーンや個性豊かなカフェが集まっているというのは三軒茶屋がコーヒー激戦区だという証左だといえるだろう。

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【店舗データ】
〒154-0024 東京都世田谷区三軒茶屋1-33-18
席数 30席+テラスエリア+縁台
営業時間 8:00~19:00
東急田園都市線「三軒茶屋駅」徒歩3分

 

 

六本木カフェ

国内4号店。場所は東京ミッドタウンに面する外苑東通りの裏手にあたる、比較的閑静な龍土町美術館通り側。通りの名前が示すごとく国立新美術館にもほど近い場所だ。すぐ隣に六本木の氏神様・六本木天祖神社がある。ブルーボトルコーヒー六本木カフェが入っているのは厳密にいうと「トライセブンロッポンギ」ビルの地下1階で、ビルの表側つまり外苑通り側には1階と2階にバーニーズニューヨークが出店している。まあバーニーズニューヨークには気後れしてなかなか迂闊に足を踏み入れることはできないですけどね(個人の感想です)。

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ちなみに僕が訪れたこの日、国立新美術館ではビュールレ・コレクションの「印象派展」と「こいのぼりなう!」が開催中だった。「印象派展」についてはまたエントリーをあらためるとして。

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「こいのぼりなう!」は入場無料で、こ~んな具合に思い思いクッションソファに座って群れを成して泳ぐこいのぼりをいつまでも好きなだけ見上げていられるという企画だった。波の音が心地よく耳に響いて、うっかり眠ってしまいそうになったほど。

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さて肝心のブルーボトルコーヒー六本木カフェだが、バーニーズニューヨークの横の狭い路地から入っていくとこんなシンプルな案内板に促される。

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石畳の階段を降りた先に、よもやこんなふうに豊かな緑の木立に囲まれた場所が出現するとははじめてのときは思いもよらないだろう。そんな木々の向こうまるで埋もれるように存在している六本木カフェ。

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温かい日にはテイクアウトのアイスコーヒーでも飲みながらゆっくり談笑できそうな前広場。石のベンチも点在している。

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店内は至ってシンプルというか簡素というか余計な飾り気がない、まるでオフィスの一室のようだ。あくまでも控えめにアフロポップのようなBGが流れていた。六本木という賑やかな大都会の中にありながら、いまのところこの六本木カフェが不思議と僕はいちばん落ち着く店舗かもしれないなあと思った。店内写真を撮っているのは、こっち側の窓に面した低いカウンター席より後ろ向きに。

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六本木カフェ限定のサンドイッチ等の食べ物もあり、ランチに使えそう。

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僕と同行者が注文したのは、ドリップブレンドの定番のひとつ「スリーアフリカズ」(¥450)とアイスコーヒーの「ニューオリンズ」(¥500)。本日のブレンド「スリーアフリカズ」とは初対面だった。酸味の強弱でいえば、ベラ・ドノヴァン > スリーアフリカズ > ジャイアント・ステップスの順かなあ?(間違っていたらごめんなさい)

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ドリップブレンドはこうして写真に撮っても基本どれも同じふうにしか写らないのがせつない。そうそう、ブルーボトルコーヒーのホット系はごらんの写真のようにガラスのカップに注がれて出てくるのだ。ニューオリンズはミルクとオーガニックな砂糖を加え、チコリーというハーブで風味付けしたという水出しコーヒーだそうですよ。僕もちょっとだけ飲ませてもらったが、これ実に美味しいね。

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【店舗データ】
〒106-0032 東京都港区六本木7-7-7
席数 27 席+表の広場
営業時間 8:00~20:00
東京メトロ日比谷線・都営地下鉄大江戸線「六本木駅」徒歩3分

 

 

品川カフェ

国内6号店。品川駅にはJR東日本リテールネットが運営するエキュート品川という駅ナカの商業施設(52店舗)とエキュート品川サウス(39店舗)とがある。いちいち改札出なくていいわけだから、便利だしもうそれだけで十分事足りてしまいそうなところにもってきて、実は港南口には同じく駅ビルの商業施設アトレ品川まで充実ぶりなのだ。エキュートは駅ナカだがアトレは駅ソト。つまり改札を出なくちゃならない。まあ逆に言うとわざわざ改札入らなくてもいい~んじゃね? ということになるんだけどね。

で、ともかくそのアトレまで行くのに中央改札出てからコンコース(自由通路)を結構な距離を歩く。なんといってもアトレは品川駅の外れにあるからね。駅ナカであろうと駅ソトであろうとそもそも駅構内に足を踏み入れている以上、基本的にはその駅になんらかの用件あってのことだろうと推測される。これから電車に乗ってどこかへ移動するとか。電車に乗ってどこからかやってきて駅の改札を出てこれからどこかへ向かうとか。自宅や会社に帰って行くとか。

重要なことなのでくり返すけど、アトレ品川は中央改札から結構歩く。まあその代わり新幹線乗り場からはめっぽう近い。しかもコンコース(自由通路)を行き交う人の群れは半端なく多く、石川さゆりさんによれば誰も無口だ。そういう場所にブルーボトル品川カフェはある。くれぐれも間違えないように。駅ナカのエキュートではなく駅ソトのアトレの方にブルーボトル品川カフェはあるのです。

改札から港南口へ向かって人の波を掻き分け歩いているうちに、ようやくアトレ品川3Fを見上げる先に例の青く輝く瓶のマークが見えてくる。こんな感じの芭蕉に。じゃなくて場所に。他店舗の木の板に描かれた青い瓶とは一味も二味も異なる様相が人目を惹く。

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品川カフェはアトレのエスカレーターを上がってすぐのところ。ここまで来ればもはや迷いようがない。ご覧のとおり段差やスロープがあるだけであとは仕切りもなにもないシームレスな店舗だ。席数がそんなにあるわけじゃなく、広々とした開放的な雰囲気で、白を基調とした明るく清潔な感じがする店内。ちょっと近未来的な宇宙船の内部のような印象のカフェ。

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いつものように注文時に名前を聞かれたら、たまにはその場でふと思いついた本名とは全然別の名前を名乗ってみたい。いまだと例えばサッカーの日本代表監督を電撃的に解任されたばかりの時の人「ハリルホジッチ」とか、大リーグエンゼルス移籍1年目から二刀流で大活躍の「大谷です」とか。もっとも僕にはそんな勇気も遊び心もないからつい本名を口にして、つまんないやつだなあと自分で自分を哀れむことになるのだが。

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本日のドリップブレンド「ベラ・ドノヴァン」(¥450)。

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正面ガラス張りのカウンター席で、コンコースを行き交う人波を見下ろしながら飲むベラ・ドノヴァン。因みにこの位置から右下(2F)方向にスターバックスコーヒーが見える。スタバを見下ろしながら飲むベラ・ドノヴァン。ほど良い酸味がクセになりそう。誤解を恐れずに言えば、おそらくブルーボトルコーヒーを象徴するコーヒーの味は、このドリップブレンド「ベラ・ドノヴァン」の味なんだろうと僕は思うのだ。 

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【店舗データ】
〒108-0075 東京都港区港南 2-18-1 アトレ品川 3F「FOOD&TIME ISETAN」内
席数 27 席
営業時間 8:00~22:00(平日)
/10:00~22:00(土日祝日)
JR品川駅港南口すぐ



 

新宿カフェ

国内3号店。新宿カフェは、日本一の乗降客を誇る新宿駅直結の複合施設 NEWoMan 1 Fにある。そういうといかにも華々しい立地を想像するかもしれないが、実際は甲州街道陸橋下の案外目立たない地味な場所。言葉は悪いが吹き溜まりのような場所(悪すぎだろ)。ブルーボトルコーヒー初の商業施設への出店だそうで(のちに六本木カフェや品川カフェ)、上階に高速バスターミナル「バスタ新宿」もあり。そういった事情から旅行者らしき人が多い印象。加えて外国人客も多い。レジではもっぱら英語の応対が日常茶飯事のように行われている。もちろんふつうの買い物客もたくさんいる(はず)。

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僕が見る限り平日でもレジはいつも並んでいるが、それほど待たずほどなく自分の順番はやって来る。ここと、青山カフェが東京のブルーボトルの店舗では比較的賑やかな方だろう。道路に面した店舗の外側の入口ドアからも入店できるし、ビルの内側からでも間仕切りなしに自由に入店可能。とにかく全方向から見晴らしがよい。ここではガラス窓に描かれた透明感ある青い瓶。

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こんな感じでコーヒーがドリップされるのを待ってる人や、空いている席を求めて店内を往ったり来たりする人や、ただの通りすがりの人など、とにかく立ってる人、動いてる人が多いのがこのカフェの特徴かも。店内にいるだけで全体的に「動」のエネルギーのようなものをひしひしと感じる。それはまあ新宿という街全体が発しているエネルギーなのだろうけども。

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たまにはアイスカフェラテ(¥520)とチョコレートチップクッキー(¥300)を。チョコレートクッキーはしっとりとした生地の大きな不二家カントリーマアムみたい。ブルーボトルコーヒーのクッキーにはこのチョコレートチップクッキーとサフラン&バニラビーンズクッキーの2種類がある。サフランの方はややクセのある味だけど、サフランの香りが嫌じゃなければどちらもすごく美味しいクッキーだ。

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ちなみに新宿カフェのすぐ隣り(というか背中合わせ)には、カフェを併設したあの「ル パン ドゥ ジョエル・ロブション」があるという豪華さだ。こっちのカラートーンはブルーボトルの青に対抗して(?)赤。もっといえば道を挟んで向かい側にはスターバックスカフェもある。甲州街道の陸橋下という吹き溜まりでこれだもの、返す返すもさすが新宿と恐れ入る他ない。

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【店舗データ】
東京都新宿区新宿4-1-6
席数 45 席
営業時間 8:00~21:30
JR 新宿駅新南口徒歩1分

 

 

清澄白河ロースタリー&カフェ

国内1号店。清澄白川ロースタリー&カフェは、清澄庭園、東京都現代美術館、門前仲町を結ぶトライアングルの真ん中あたりに位置しており、かつ住宅街のど真ん中にある。駅から歩いても地図がないとなかなか辿り着かない場所なんですね。しかも周囲にはお寺がめちゃくちゃ多いので、霊感が強い人はあらかじめ覚悟して出かけた方がいい。他にも(下の写真左から)富岡八幡宮、芭蕉記念館、深川江戸資料館などなど、アートと歴史ロマンとお線香の香り漂う町なのだ、清澄白川というところは。

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カフェは倉庫をリノベ―トしたもので、完成した建物の外観はやはりどこからどう見てもただの倉庫にしか見えないという。壁を這うパイプ配管や煙突の出具合なんていかにもという風貌だ。

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実際、店舗奥にはコーヒー豆の焙煎所や保管庫を兼ね備えたいまどき流行のロースタリーカフェ。とにかく見ているだけでも楽しくなる。運よく作業中に出くわすこともあるかも。

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そして驚くなかれ、この日僕が注文したコーヒーはシングルオリジンで、イエメンのコーヒー豆だった。いまだに紛争が絶えないあのイエメンの農園の豆というだけでも驚くが、いやいや、驚くのはイエメンではなく、その値段! な、なんと一杯 1600 円! 証拠のレシートもほら。 「イエメン ポート・オブ・モカ・アル ジャバル ロット 26」とある。とっても希少な豆んだとか。イエメンだからねえ。僕は値段を聞いて瞬時にためらったのだが(というか止そうと思った)、同行したうちの奥さんがね、「毎日飲むわけじゃないからたまにはいいんじゃない」と背中を押してくれたのだ。その一部始終を見聞きしていたレジのおねえさんも笑っていた。

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イエメンのドリップが終わりガラスカップに注いでくれているところ。実は先ほどのレジのおねえさんから「この豆は淹れ立ての最初の一口の風味を是非味わってほしいので、できれば紙カップではなくカップて飲むことをおススメしているのですが」と言われたのだ。そのとき僕らはまだ店内に席を確保できていなかったのです。ただでさえ少ない席数の上、平日の午後にもかかわらず僕らの後ろにもまだ順番を待っている人もいるくらいの盛況っぷり。

「では最初の一口だけカップで味わっていただいたら、あとはテイクアウトできるように紙カップに移し替えましょうか?」とまでおねえさんは提案してくれた。でも偶然すぐにテーブル席が確保できたので、せっかくの素晴らしい提案は結局実現されずに終わったわけですが。なんというホスピタリティなのだろうと感激した。

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1600円のイエメンなんとかなんとかは、申し訳程度の大きさのジンジャーのビスケットと小冊子がついてくる。ただしこのジンジャービスケット、イエメンコーヒーにほど良くマッチする味だった。問題の(?)イエメンのコーヒーは言葉にできないくらいの美味しさでしたね。まるで芳醇なワインのような風味でした。と同行のうちの奥さんが申していました。もうひとりの同行者は紅茶のような味だと言っていた。僕はベリーの風味が印象的だった。ともかく三者三様で、1600円恐るべし!

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同行者が注文したカフェラテ。ハートのラテアートが可愛い。

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【店舗データ】
〒135-0023 東京都江東区平野 1-4-8
席数 8 席
営業時間 8:00~19:00
都営地下鉄大江戸線・東京メトロ半蔵門線「清澄白河」徒歩10分

 

 

青山カフェ

表参道と246青山通りが交わる夕暮れ間近の南青山交差点。この街には完全な夜というものが存在しないかのようだ。

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そこから少し脇道に入った裏通りにブルーボトル青山カフェはある。周囲にはおしゃれなカフェが目白押し。そうとう競争率が激しそうで、この地への出店はよほど自信があってのことだろうと推察される。というかここでの勝負に勝てないようでは先々のチェーン展開もおぼつかない、という企業側の確固たる理念とか覚悟のほどがひしひしと伝わってくる。向かいはあの「キルフェボン青山」だ。純粋な意味でのカフェではないとはいえ、強烈なライバルには違いない。苺のタルトが実に美味しそうだ。

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1Fに「カバンドズッカ(ZUCCA)」という小さなビルの2Fが、ブルーボトルコーヒー国内2号店の青山カフェ。ズッカの横の階段を上がった先にほの見える例の青い瓶の看板。

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外階段を上がった先の看板を店内から見たところ。写真右手側に注文カウンターがあり左がコーヒー豆購入の専用カウンター。

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厨房で忙しなく働くスタッフ。閉店間際の時間だというのにまだまだ店内には人の波が絶えないふうだった。BGMはジャズでしたね。ソファ席ありテーブル席ありスタンドありテラス席あり中央に大きなハイテーブル&ハイチェアありと、客席の自由度がいちばん高い、さながらサロンのような趣き。観光客や買い物客や通勤帰りの客が思い思いにくつろいでいる様子が窺えた。

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この日はドリップシングルオリジンの「ブルンジ・カヤンザ・ウィメン オブ キンヨブ ステーション」(¥550)という長~い名前のコーヒーを注文した。ブルンジという東アフリカの国のカヤンザ県にあるキンヨブ農園で働く女性たちの手になる珈琲豆、という意味だろうか。農園で働く女性たちを支援する願いが込められた一杯のコーヒーは、いつまでも後を引く酸味がたまらない美味しさだった。

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同行者はモカ(¥600)と柚子ポピーシードパウンドケーキ(¥400)を。

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バウンドケーキにはこれとグリーンティーレモンの2種類がある。柚子ポピーシードパウンドケーキちょっと食べさせてもらったけど、とっても美味しかった。なんだか「ちょっと食べさせてもらって美味しかった」ばかり〇〇のひとつ覚えのようなレポートで恐縮ですが。

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お土産に豆を買うと持ち帰り用の袋に入れてくれた。ふつうの紙袋でさえシンプルの極みでなんだかすごくおしゃれなんですよね。

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【店舗データ】
〒107-0062 東京都港区南青山 3-13-14
席数 80 席
営業時間 8:00~19:00
東京メトロ銀座線千代田線半蔵門線「表参道駅」徒歩3分。

 

 

まとめのようなもの

個性豊かな昔ながらの喫茶店もいいけれど、僕は町なかの至る所にあるコーヒーチェーンが好きだ。だけど多くの人はチェーン店と聞くとあからさまにがっかりしたり、少し侮蔑した表情をすることがある。でもよく考えて見てほしい。どんなに巨大なチェーン店でもはじまりは小さな1号店からなのだ。そこから2号店3号店と続き、上手くいけば6号店7号店と展開されていく。神様が7日で天地を創造したとする旧約聖書の話を持ち出すまでもなく、人は「7」という数字に一方ならぬ愛着と畏敬の念を抱くもの。曰く、ラッキーセブン、七人の侍、七福神、ウルトラセブン、七草粥、七味唐辛子、セブンイレブン、そしてAKB神7。そういった意味でもブルーボトルin東京のはじまりの7店舗は、今後のチェーン展開を占う意味でもただの7店舗ではない、神様の7店舗であると言ってもけっして言いすぎではないだろう。例えばどの街のどんな場所のどのような外観と内装が設えられた建物なのか。例えばどんなコーヒーとフードメニューがそこでは提供されるのか。例えばホスピタリティについていえばどうか。

2018年3月、ブルーボトルコーヒーがはじめて関西エリアに出店された。国内8号店、京都カフェのオープンである。



※いうまでもなく当該記事のデータはすべて2018年4月現在のものです。当たり前のことですが僕になんの断りもなく変更される可能性大だということをあらためて書き記しておく。 

bluebottlecoffee.jp

roshi02.hatenablog.com