ようやく梟書茶房(ふくろうしょさぼう)に行ってきた。本とコーヒー好きにはたまらない話題のブックカフェ。オープンしたのは今年(2017年)の6月30日だから遅れることはや半年。その間SNS上で目にする評判に逸る気持ちばかりが膨らんでいた。場所は池袋Esola(エソラ)4F。エソラそのものはJRおよび複数の東京メトロや私鉄が相互乗り入れする屈指のターミナル駅・池袋駅に直結している。都内はもちろん埼玉や横浜方面からのアクセスにも便利な絶好のロケーションにある。
梟書茶房は意外にもドトールコーヒーの新業態だそうだ。公式サイトによるとドトールと神楽坂かもめブックスのコラボレーションで生まれたブックカフェということらしい。「書茶房(しょさぼう)」という耳慣れない言葉は書房と茶房の融合を目指すコンセプトを端的に象徴した造語なのだろう。店内にはおよそ3000冊の本がありうち2000冊は実際購入することができる(残りは店内閲覧用)。れっきとした本屋さんでありながら同時に焙煎したコーヒー豆の豊かな香りに包まれた本格的なカフェでもある。
基本コンセプト。
メニューは飲み物も食べ物も豊富にそろっている。
入り口で名前を書くとほどなくカウンター席に案内された。そこはまるで映画『ハリー・ポッター』のホグワーツ魔法魔術学校の図書館にでも迷い込んだんような雰囲気だった。
席に着くやいなやテーブルにレトロな鍵が置かれる。会計の際はこの鍵をレジへ持って行くシステムなのだと説明を受ける。ここでは鍵がふつうの伝票代わりになるのだった。テーブルは一部分がガラス張りになっている。中にはそれぞれの席にあらかじめ異なる本が用意されてあるようだ。まさか客の風体からその本にふさわしい席へと案内しているわけではないだろうが。
頭の上の読書灯のスイッチもこんなにレトロ調。
ちなみに梟書茶房は――
1.シークレットブックを売る本屋さんおよびレジカウンター
2.ゆったりとしたソファのラウンジ
3.図書エリア(ラウンジを取り囲むように設えられた窓際のカウンター席)
4.まるで図書館のような雰囲気のアカデミックエリア
5.木の質感とテラス席から差し込む陽光がやさしい森の部屋
6.グリーンテラス(喫煙可)
7.大きなサイフォンが目立つ珈琲カウンターとその奥のキッチン
というふうなエリアに分かれている。
見えづらいが店内マップはこんな感じ。
ここがコーヒーカウンターでこの奥がキッチン。
アカデミックエリアに隣接する雑誌書架。
図書エリアの書架。豪華な写真集や図録などもさりげなく立て掛けてある。
シークレットブックのコーナー。およそ2000冊あるという。
今回案内されたのがカフェエリアの中のアカデミックエリアというわけだ。目の前のメニューを見て僕はコーヒーとシフォンケーキを注文した。コーヒーはサイフォンで淹れた梟ブレンドコーヒー(税込540円)。BOOKシフォンはショコラ(税込540)を。写真で見ていただくとわかるとおり本の形になっているからBOOKシフォンというわけだ。ちなみにコーヒーはとってもおいしい。そのほかパスタやサンドイッチやホットドッグ。飲み物はフルーツティーやお酒まで用意してある。店内閲覧用の本を自由に席まで持ってきて飲んだり食べたりできる。もちろん自宅から持ってきた本や途中で買ってきた本も読める。ただあくまで個人的な感想だがここでは小難しい小説をじっくり読むというより気ままに写真集や雑誌をめくりながらの方が似合うと思った。例えばだけど自分では欲しくてもなかなか買えない若冲の高額そうな図録とかね。家から持って行ったkindle本を読んでみたけどなんとなく場にそぐわない気がした。
もともと家を出たのが遅かったのだがそれでも小一時間ほどのんびりくつろいでいったん会計を済ませる。その後レジ横の本屋さんエリアで「はじまりの24冊」と銘打った本のなかから001とナンバーリングされた一冊を試しに購入してみた。ほぼ全部に同じブックカバーが掛かったうえビニール梱包してあるので作品名も著者名も外からはわからない仕組みになっている。面白い。ロケーションが池袋で店名が梟書茶房だけに袋(ふくろ・う)綴じになったシークレットブックとなかなかシャレが効いているのだ。ただし下の写真のようにヒントが書いてあるのでわかる人にはすぐピンとくるかもしれない。家に帰って開けてみたところ……ムフフフ。どんな本だったかはまあ秘密ということにしておきます。というわけで帰宅してからのお楽しみも含めとっても心癒されるひとときでした。機会があればまた是非再訪したいですね。「梟書茶房」おすすめです。
追記)
実は後日今度はカミさんと一緒に再訪したのだ。このときは僕は欲張って梟ブレンドコーヒーとイベリコベーコンの醤油バターパスタ(税込918円)とサーモンタルタルとごちそうサラダサンド(税込648円)を注文した。ドリンクセットは飲み物が税込216円引きになる。サンドイッチのパンは見た目より中は案外ふわふわ。今回ふたり連れだったせいか僕らはラウンジに案内された。たまたまだったのかもしれないが残念なことにちょっと騒々しくてふつうのカフェとそう変わらないなあと感じた。なので僕のおすすめは断然アカデミックエリアですね。
あそうそう季節がらこんな素敵なBOOKツリーが飾ってありましたよ。