ヒロシコ

 されど低糖質な日日

スイカはどこまで食べるか問題と糖質制限

ゆうべはスイカを食べながら都知事選の開票速報を見ました(『真田丸』は録画して後日)。大方の予想をはるかに上回る得票差をつけて小池百合子さんが圧勝し、日本の新しい首都東京の顔として初の女性都知事が誕生することとなりました。小池さんの今後の都政運営に期待します。

僕は個人的には鳥越俊太郎さんに1票を投じたのでその点は残念な結果に終わったのですが、まあ鳥越さんの敗因は、直前に週刊誌が報じた女性スキャンダルと、自民党が分裂選挙になって反与党ながら野党連合を潔しとしない一定数の有権者の受け皿に小池さんがなってしまったのかなあと悔やまれます。

当選した小池百合子さんのイメージカラーはグリーンだそうで、街頭演説には各人グリーンのものを身につけて集まりましょうというユニークな呼びかけがあったそうですね。グリーンのシャツから鉢巻やスカーフ、はたまたホウレンソウやキュウリを手に握りしめて駆けつけた熱心な支持者もいたようですよ。ですがさすがにスイカを丸ごと1個抱えて参加した強者はいなかったのではないでしょうか。

スイカのカラーといえばパッと見は果皮のグリーンですが、カットすると中の果肉は鮮やかな赤なので、イメージ的にグリーンなのか赤なのか迷うところです。ところで、僕らが食べているそのスイカの赤く甘い部分は、同じウリ科の果物であるメロンを食べるときに捨てている部分だというのを知ってましたか?

果物の断面を思い浮かべるとなるほどと納得できるのですが、中心部の種がある部分をスイカは食べメロンは捨てる。そのひとつ外側の青白い部分をスイカは残し、メロンは食べますよね。さらのいちばん外側の皮はどちらも捨てます。

そう考えると果物の果皮と果肉の関係って、厚さや甘さにそれぞれ違いがあってどこがどっちといえない、食べるにしても捨てるにしても一概にどうあるべきだなどといえない実に厄介な問題を孕んでいるような気がします。ことにスイカやメロンなどウリ科の果物を食べるとき常に頭を悩ますのが、では果皮と果肉のどこまでを食べ捨てるのか、という問題だもといえます。

いうまでもなくスイカのもっとも美味しい部分は、はじめの一口目に当たる部分と皮と果肉のちょうど境目のところだと僕は思っています。これはまあ、皮のある食べ物全般にいえることで、先程からさんざん比較検討しているメロンにしても当然そうだし、焼き鮭なんかも、あの皮にくっついた身のところをほぐして食べるのがいちばんウマいわけですよ。

その点、鯛焼きや最中(もなか)は、しょせん後付で餡に皮をかぶせたか餡を皮で包んでいるだけだから、皮と身の一体感という点でスイカやメロンや焼き鮭とは似て非なるものといえます。でも鯛焼きや最中はこの際どうでもよくて、ついでに鮭もこの際置いておきましょうよ。鮭は僕は皮ごとカリカリに焼いて一緒に食べたりもするし。皮といったってしょせんあるかないかわからない薄皮だし。

スイカに話を戻すと、ワカメが踊ってるような模様のグリーンの皮そのものはさすがに食べませんよね。皮と果肉の境界線にある白い部分は(なんという名前か知らない)、苦いってほどでもないけれど、無味というかまさにウリみたいで僕はできればそこも上手に残したいと思います。だって、カブトムシじゃないんだから。漬物にして食べる人はいるみたいですけどね。

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それでもやっぱりあのギリギリの境界のところがおいしいの知ってるから、そのつど果敢にチャレンジして失敗すると、うえー、となって凹みます。その狭間でいつも悪戦苦闘してるから、ひとり「桶狭間の合戦」と個人的に呼んでますが。秘密もなにもほとんどなくなってしまったカミさんの前でなら、もし失敗したとしても、おいしいかそうでないかだけの問題で済むのですが、それ以外の場合は結構気を遣います。

それほど親しくない人の家へ招かれ、応接室でスイカを出してもらったとしたら(ま、そんな機会があったとしたらですが)、正しいスイカの食べ方がわからなくて困ることがあるかもしれません。悩んでいつまでも手をつけないでいると、「スイカお嫌いですか?」などとかえって先方に気を遣わせてしまうことになりかねません。

他人の目を意識しながら、あまり皮のすぐ近くまで踏み込んで食べるのは、なんだかがっついてるふうでみっともない。かといってまだ十分赤い部分(メロンでは青みがある部分)で止めてしまうのは、いかにも上品ぶってるみたいで厭味だし、妙に遠慮しているようで逆にこっぱずかしい。なによりもったいない。

しつこいようですがこれが焼き鮭ならいいんですよ。皮ごと全部食べちゃえばいいわけだし。なにしろ薄皮ですからね。もっともよその家の応接室で焼き鮭食べる機会なんてそうそうないでしょうが。

それともうひとつ重大な問題があって、スプーンがいっしょに出た場合。いや、たいていはスプーンもいっしょに出てくる。スプーンで食べるのは便利そうでこれが案外面倒なのです。うまく果肉の部分を掬えるといいが失敗して、せっかくこそいだ果肉があさっての方向へダイビングしていったりしたら、と想像するだけでせつなくなります。この難易度が高いのも果皮と果肉の境界あたりです。

しかもなかなかうまく掬えず、左手の人差し指をこっそり添えた瞬間をちゃっかり見られたりして。「まあまあ、どうぞ遠慮なさらずそのままがぶっといってください」などといわれて、泣きたくなる。といって、スプーンが出てこなければそのままかぶりつくかというと、今度はそのタイミングが難しい。なるべくこれも相手が見てないすきを見計らって素早くやらなければならない。

それにスプーンがなければ皮との境目の部分は特に深くかぶりつく感じになってしまうので、いっそう「どこまで食べるか問題」が際どく危険なものになるのだ。なのでスイカはなるべく小さくカットして出してくれるとありがたいなあと僕は思うのです。かもう、いっそ出さないか。アイスコーヒーや麦茶で十分ですから、どうぞよろしくお願いします。

あ、ちなみにスイカは9割が水分で、あれほどの甘さにもかかわらず糖質量は100gあたり9.2g、キュウイの11.0gやリンゴの13.1gぶどうの15.2gバナナの21.4gなどと比較すると少なめですが、糖質制限的にはあまり一度にたくさん食べてもいいという糖質量ではないようです。暑い夏、スイカはほどほどに食べましょうね。   

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