されど低糖質な日日

~Ⅱ型糖尿病患者のありふれた日常~

アナゴやナマズはウナギの代用品か?

明日7月30日は夏の土用の丑の日です。わがやでは例年、商店街の外れにある割烹の店先で焼いているウナギの、蒲焼きと白焼きと肝の串焼きを少しだけ買ってきて、家族4人で分けあって食べることにしています。もちろん糖質制限をしている僕は、白ごはんはなし。肝の串焼きもなしです。ううっ。

僕のぶんの切れ端には、別添えのタレは当然かけず、かといってもともとついているタレまでをも水で洗い流してラカントやエリスリトールと糖質0gのお酒やしょうゆで味をつけ直すなどという七面倒くさいこともせず、買ってきたままの蒲焼をただそのままありがたく食べます。そのタレ自体に糖質が含まれていることは(ウナギだけに)重々承知の上で、このときばかりはそれもやむなしという覚悟ですが。

で、これも毎年の恒例のようになっていますが、子どもが、「ウナギが食べたいというよりこの蒲焼きのタレがうまいんだよ。だからべつにウナギじゃなくてもアナゴでもいいんだよね」というのを、僕は笑いながら黙って聞いています。

ただし、もしアナゴが、日本中のうなぎ屋や家庭や食堂でおなじようなことをこっそり囁かれていたり、あるいは堂々と噂されているのを知ったとしら、いったいどれほど悔しいことか、どれほどせつなくて悲しいだろうか、といっそアナゴの身になって考えると、軽く笑って済ませられることではないのかもしれませんね。

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その一方で、代用品になるということは、ある意味大きなチャンスでもあると思うわけです。これまでちっとも出番がなかった、脚光が当たらなかったのに、このときばかりはまさに千載一遇の機会(チャンス)が与えられ、うまくいけばひょっとして次の機会もあるかもしれないし、場合によっては「今後とも末永くよろしくお願いします」という僥倖に恵まれるかもしれない。

そういうポジティブな面もないことはないのですが、でもなぜか「代わり」とか「代用品」という言葉の持つ響きには、どんなに否定しても常に物悲しさがつきまといますよね。どこからか「わたしは、あの娘の代用品じゃないわ!」、という女の子の悲痛なこころの叫び声までもが聞こえてきそうです。

アナゴにしてみれば、ウナギの代用品といわれる屈辱をうけつつ、万が一チャンスをものにしてウナギの地位にとってかわり、土用の丑の日の王様に君臨したとして、それはそれでウナギのように日本人に食べ尽くされ、そう遠くない将来に、絶滅の危機の訪れを待つだけの存在になるやもしれないのだし、まあどのみちいいことがないというかなんというか、ああ……。

ほんとうはいまでもアナゴはアナゴなりに、天ぷらでも寿司ダネでも、もちろん蒲焼きでも立派に務めを果たしているのにね。僕ら人間も、誰かの代用品として生きていくのはとてもツライことですよね。

唐突ですが、そんなツライ思いをしているにもかかわらず、むしろ逆境を跳ね返してがんばっているものが他にあるだろうかと、暇に飽かせて考えてみたのです。

まず真っ先にカニカマのことが思い浮かびました。カニじゃないのにえらいよなあカニカマ。チーカマとはわけが違う。あと魚肉ソーセージとか、バターの代用品のマーガリンとか、世間の風当たりは強いようですが、こういう人たちは(じゃなくてモノたちは)、もう誰が見ても良識あるひとかどの人物(じゃないんだけどね)として認知されている感じがしますね。

ここでたびたび紹介している、紀文の糖質0g麺は、糖質制限をしている僕にとってはそれこそ、うどんやパスタやソバ、そうめん、ラーメンの麺など、あらゆる麺類の代用品として、もはやなくてはならない存在になってます。スマホは、ある意味パソコンの代用品というより、パソコンを完全に凌駕しちゃったというべきか、ぜんぜん別ものとして進化しているというべきか、いまだ判断つきかねているところかしら。 

ちょっと前の映画ですが、『 her/世界でひとつの彼女』という、手紙の代筆を生業とする主人公が、コンピュータのOS(女性)と恋におち、OSが人間のカノジョの代わりになる、といういかにも近未来的な非常に面白い映画もありましたよね。

さて、最後にもう一度ウナギの蒲焼に話を戻します。ここにきてウナギの代用品として俄かに脚光を浴びてきたのが、近大マグロで一躍有名になったあの近畿大学が研究開発して、その完全養殖に成功したといわれる「ウナギ味のナマズ」です。いわゆる近大ナマズ。「近大発のパチもん」と少しも悪びれることなく自ら堂々と名乗っています。

エサや飼育する水質を改良して、ウナギの脂身や弾力性を持つナマズをつくりあげたそうです。イオンや一部のスーパーで、数量限定で売り出されているそうですが、残念ながら僕はまだ実際食べたことがありません。来年こそは、と思っています。イオン、糖質制限の強い味方のイオンが、そんなところでもがんばってくれているのだなあ、とうれしくなりました。  

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