されど低糖質な日日

~Ⅱ型糖尿病患者のありふれた日常~

人は弱いから「ロカボ」という考え方にすがるのか、弱いがゆえに積極的な方向転換で「ロカボ」を取り入れるのか?

「なぜ僕が糖質制限をはじめるようになったのか?」その原点に立ち返る

4年半ほど前に糖尿病が発覚し、ほぼ同時に糖質制限による治療を開始しました。当初から厳しい糖質制限、江部康二先生(日本における糖質制限食事療法の第一人者)いうところの白米・パン・麺の主食を一日三食いっさい摂らない、いわゆる「スーパー糖質制限」というものを自分自身に課してきたのです。

従来の糖尿病治療として日本糖尿病学会で推奨されたカロリー制限と比べ、第一に面倒なカロリー計算が不要なこと、第二に低糖質な食材ならお腹いっぱい食べられること、などから僕もこれなら楽勝で続けられるなあと思いました。僕の場合は病気が発覚したきっかけが、糖尿病網膜症という合併症で失明の危機を宣告されたことだったのです。その危機を回避するため、この先も一生治療を継続して安定した血糖値コントロールをしていくための装置や、強い意志と決意が必要だったわけです。 

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事実、糖質制限は上記エントリを書けるくらい、なにごとにも飽きっぽい僕としてはそうとう辛抱強く続いたと思います。4年半という年月を長いと捉えるか、たったの4年半とみるかは人それぞれ異なるでしょうが。さいわいにもこの食事療法が功を奏し、肝心の血糖値はみるみる抑制され、コントロールは非常に上手くいきました。おかげでどうやらこうやら失明の危機も回避できたのです。

はじめのころこそ体内のインスリンを誘発するため、朝だけ少量のインスリン注射を打っていたのですが、いまではそれもやめることができました。ここにきて、食後の血糖値を抑えるメトグルコという飲み薬の服用もやめることに成功しました。 

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スーパー糖質制限に挫けそうになったとき「ロカボ」という新しい言葉に出会う

正直いうと、それらの幾つかがいざ現実になった途端、なんとなくピンと張っていた肩の力がふう~っと抜け、つまり気が緩んだ状態になってしまったのでしょうか。あまりに長くつきあいすぎたため倦怠期に陥った恋人同士や、子育てが一段落してはたと気づいたら子どもの成長の話題以外あらたまってこれといって話すこともなくなった中年(老)夫婦みたいなものでしょうか。←うちはこれかな?


緊張の糸が切れかかって、うっかり油断してしまった。僕には専属の管理栄養士さんやコックさんが一日中そばにいて、食事メニューを考えたり料理を作ってくれたりのサポートがあるわけではありません。有り体にいえば、個人で実践するスーパー糖質制限の限界というか、要するに疲れてしまったんですね。いくら大好きな肉や魚を思い切り食べられるとはいっても、人は肉と魚のみによって生きるにはあらず、なのだ。

それでも糖尿病と糖質制限食とは、これから先もずうっと一生つきあっていかなくてはなりません。いまさらカロリー制限には戻れないし。少し悩んだり気が弱くなったり心が折れそうになっていたところへ、今度は山田悟先生の『糖質制限の真実』という本に出会いました。本を読んで「ロカボ」(ローカーボよりもさらに緩やか低炭水化物・低糖質)という言葉を知りました。

これは一食当たりの糖質を20~40g、プラス間食の糖質を10g、それで一日全体の糖質量を70g~130gに抑えて摂取してもいいよ、というだいぶ緩やかな糖質制限です。この考えは、人が体内で一日に130g程度の糖質だったら消費できる、という医学的な根拠に基づいているものだそうです。仮に一食40gとすると、白米でも茶碗に軽く半分程度、6枚切りトーストを1枚食べられますね。 

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迷わず、僕はこれに飛びつくことにしました。まさに藁にも縋る思いです。かつて何度も何度もダイエットに失敗したように、今回はダイエット目的ではないとはいえ、同じように個々の糖質(炭水化物)という木を近視眼的に見つめすぎ目の敵にして、糖質制限という全体の森を見失いかけるばかりか、山火事でいっぺんに喪失してしまうところでした。まあ、これも後付けの言い訳だと謗られたららそれまでですが。

ついでに書いておくと、 桐山秀樹さんの急死によるパート―ナーの吉村祐美さんの証言も僕には衝撃でしたね。桐山さんはスーパー糖質制限の第一人者のイメージだったから、朝にはふつうにフルーツジュースを飲み、昼はたまにパスタやうどんを食べ、夜は玄米ご飯を食べ、友人と外で食事をするときはみんなと同じメニューを食べていた、それでも定期検査ではいつも良好な血糖値をキープしていた、という証言には勇気づけれれたのです。 

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と、いうような複合的な理由から、ははは……(笑)ときどき僕も大好きなお寿司をつまむようになったわけですよ(すごい短絡!)。気休めかもしれないけどお寿司だったらごはんも比較的少なめで、一緒に生の魚も食べられるし。朝、仕事へ出かける前にお弁当用のふすまパンサンドイッチを作る時間がないときは、スーパーやチェーンのお寿司屋さんできゅうり巻きや納豆巻きを買い、おかずにメンチカツを買って食べたりする日がふえつつあります。

あと、朝食をコンビニ(ローソン)で手頃に買えるブランパンと、ウインナーと目玉焼きとサラダ、ココナッツオイル入りのコーヒーで済ませるときもあります。ブランパン、ホント重宝してます。ブランパンのシリーズにもいろいろあって、いちばんシンプルなブランパンもいいのですが、僕はブランブレッドをよく買ってますね。糖質はご覧のとおり(下の写真)やや高めですが、食べごたえもちょうどいい具合で、「ロカボ」的にも適量の範疇ですし。

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人は弱いから「ロカボ」にすがるのか、弱いがゆえに積極的な方向転換で「ロカボ」を取り入れるのか?

「糖尿病」「糖質制限」というキーワードでこのブログにたどりつく方をがっかりさせてしまうかもしれませんが、このさい正直に全部書いちゃいます。実はたまにですが、僕もカミさんも疲れて動きたくない日は、夜ごはんに出来合いのお弁当を買って食べることもあるんですよー。もちろん食後の血糖値の上昇は覚悟の上です。ことにレジスタントスターチという概念を知ってから、この傾向は強くなりました。

レジスタントスターチとは、でんぷんでありながら体内で消化されないためエネルギーになりにくく、したがって血糖値の上昇を抑制する食物繊維です。ありがたいことに白米に含まれるでんぷんは、冷めるとこのレジスタントスターチが増すそうです。せめて弁当は温めず、そのまま冷えた白米を食べるようにしています。(笑)←これ信じてるわけではなく、都合よく利用しているだけですが。 

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人って(というか僕って)ホント弱いもので、喉元過ぎれば熱さ忘れるのことわざどおりに生きてるなあって。笑うに笑えないことですが。でもそうやって、ときどきだましだまししながら、糖質制限をこの先一生長~く続けていこうという気持ち、そこだけは変わりなく持っていようと思っています。

これを後退もしくは気の緩みと捉えるべきか、より積極的な方向転換と考えるべきか判断に苦しむところですが、あるいは結果はまだずっと先に出るのかもしれないですね。
されど「低糖質な日日」は続くのだ。