されど低糖質な日日

~Ⅱ型糖尿病患者のありふれた日常~

尿路結石で4年ぶりにごはんを食べた(2017.2 追記あります)

そもそも糖尿病って名前がなんかかっこ悪いよね。病気の実体ほど悲壮感が感じられない。他の病名を引き合いに出すことはしませんが、糖尿病という名前にはどこか楽天的なイメージがつきまとう。その昔、贅沢病なんて言われた名残りのせいかもしれない。

激痛に襲われる

そんな糖尿病の、これもひとつの合併症なのでしょう。実はつい先日、背中から腰あるいは下腹部あたりを、原因不明の激痛に襲われた。原因不明と書いたけど、ああこれは噂の「尿路結石」というやつだな、とピンときました。

人伝には聞いたことがある。転げまわるほど痛い。激痛と鈍痛が交互にくりかえしやってくる。額に漫画みたいにに脂汗が出る。吐き気、嘔吐まであった。このまま気絶してしまうんじゃないかと真面目に思った。もうあと1秒我慢できなかったら救急車呼ぼう、と何度決意したことか。

決して大げさではなく、「いっそもう殺してくれー!」と心のなかで絶叫したほどだ。そうやって七転八倒もがき苦しみながら、つかの間の小康状態のときにスマホで「尿路結石」を検索し、いまの自分の症状はほぼ間違いないだろうという確信を得た。

とは言っても、痛みは引くわけもなく。薄れゆく意識のなかで、ストレッチャーにのせられ救急車で運ばれるばれてゆく自分の姿をおぼろげにイメージする。

 

2日間何も食べられない

痛みがほぼ丸々2日間ほど断続的に続き、嘔吐があったのは最初だけ。あとは強烈な吐き気が断続的に襲ってくるが、もはや吐き出すものもない。なにしろ何も食べてないのだから。水以外一切受けつけなかった。

痛みかを少しでも和らげるため鎮痛剤をのむ。それも規定よりずっと短い間隔で。気がつけば鎮痛剤ののみ過ぎで胃まで荒れた。ますます吐き気が倍増する。というまさに負の連鎖状態だった。 

 

尿路結石と診断される

とうとう3日目、見るに見かねたカミさんに引き摺られるようにして、うちからいちばん近い内科泌尿器科へ行った。歩いて3分もあれば行く距離を、文字どおり這うように30分かけて。診察の結果、予想どおり尿路結石であろうと。詳しいことはエコーなどで検査してみないとわからないが、問診と触診とでおそらく間違いないでしょうと先生は言った。

とりあえず、2日半何も口にしてない、吐くだけのものを吐いてすっかり憔悴しきった僕を見て、先生はぶっとい栄養注射をしてくれた。あとは、痛み止めと痛み止めの薬でこれ以上を胃を荒らさないように胃薬などを2つ3つ処方してもらう。

とにもかくにも、体内から結石を自然排出させるより他ないわけだからね。

 

4年ぶりにごはんを食べる

問われるままに、糖尿病治療の食事療法として、糖質制限中であることを先生に告げた。先生は、「まあそれもいいでしょうけど、いまはこの衰弱しきった体をなんとか元に戻すことが先決だからね。もし少しでも何か食べられるようであれば、このさい一時的に食べられそうなものを食べなさい」と言った。

病院からの帰り道カミさんが、「何だったら食べられそう?」と僕に訊く。僕は一瞬ためらったのち、「おいなりさんが食べたい」と答えてしまった。

そんなわけで、糖質制限をはじめてからなんとほぼ4年ぶりに、おいなりさんを食べた。カミさんが買ってきてくれた、ちよだ鮨のおいなりさん。甘くて少し酢めしで、美味しかったあ。あれほど何も食べられなかったのに、おいなりさんだったら何個でも食べられそうな勢いだった。

ついでに巻きずしも食べた。涙が出そうなくらい美味しかった。

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結石が自然排出される

結局その翌日、あれほどの激痛が嘘みたいにピタリと止んだ。つまり石が体外に出たのだろう。僕はその日も、ごはんを食べた。やはりちよだ鮨の握りセットを、昼と夜とで半分こずつして食べた。これで糖質制限もおわりかなあ、という悔恨の念が頭をよぎった。

が、さらにその翌日からは、無事またいつものとおりの糖質制限に戻せた。心配は杞憂に終わった。よかった。

 

生きるための食事

死の間際で何が食べたいかと訊かれたら、僕の場合、それは「おいなりさん」なのではないかといまなら思う。さすがにそんなときまで、陶質制限にこだわっているわけにもいかない。そんな必要もない。

たとえば、なにかしらの災害に見舞われて、避難生活に差し入れられた1個のおにぎりや菓子パンを、糖質制限中だからと食べずにいられるか。糖尿病で死ぬよりも先に、飢えて衰弱して死んでしまうという本末転倒なことになりかねない。なので、そんなときがきたら、迷うことなく1個のおにぎりをありがたくいただくのだ。 

 

尿路結石再びからの腎盂腎炎?(2017.2 追記)

実は1年半ぶりに尿路結石を再発させた。今度はあのときとは反対側の左側。尿管に石が詰まって激痛と嘔吐にのたうち回ったのは前回同様だが、さらなる悲劇というか、今回はその詰まった石のせいで細くなった尿道を尿が逆流し、それに伴い何かしらのウイルスが腎臓に炎症を引き起こしてしまったようなのだ。耳慣れない病名だが、「腎盂腎炎」の疑いあり、ということだった。

というのは、前回も診察してもらった近所のお医者さんの見立てによるもの。なにしろただの尿路結石あるいは膀胱炎と違って、39℃におよぶ高熱が出た。あとは悪寒。暖かくしていても寒さで震えた。先生は僕を診察しながら、うちには入院設備が整ってないからアレだけども、本当はすぐにでも入院して点滴で水分補給しながら同時に強烈な抗生剤を投与し続け、4~5日くらいは絶対安静にした方がいいんだけどねえ、と真顔で言った。

まあさすがにこれで命を落とすことはないと思うけど、とニヤリと笑ったあと、冗談のように聴こえるかもしれないけど、それだけこの病気を甘く見ない方がイイってことだからね、とも言った。そうして、「もし今夜にでも、抗生剤が効かずに高熱が引かず、まだ激痛が治まらないようだったら躊躇なく救急車を呼ぶように」と付け加えるのを忘れなかった。

腎盂腎炎とは前述したように、膀胱炎と同じ症状の他に、高熱、悪寒、嘔吐、あとは尿路結石同様の、背中や腰に激痛や鈍痛が間断なく続いて、居ても立ってもいられない状態が長く続く。というか、原因のひとつに僕のように尿路結石によって狭くなった尿道を細菌が腎臓まで逆流するケースもあるそうなのだ。持病である糖尿病で細菌への免疫力が著しく低下していることも、もちろん大きな要因であるのは間違いない。

さいわい、今回は処方してもらった抗生剤の効き目があったのか大事には至らず、高熱も徐々に引き、それに伴い食欲も少しずつ増し(このさいアイスや他にも糖質をいっさい気にせず食べたいと思うものを何でも口にしたが)、数日後には石も無事体外に排出された模様。それにしてもつくづく糖尿病の怖さをあらためて思い知らされることになった。