ヒロシコ

 されど低糖質な日日

糖尿病の合併症で網膜症を煩い失明の危機の淵に立って決意した糖質制限な日日

そもそも、僕がなぜ糖質制限をはじめるようになったのか? 本来ならば、このブログをはじめるときに真っ先に書かなければならなかったことかもしれない。いまから 4 年前の 2011 年、季節もちょうどいま時分。そろそろ僕の誕生日が近づいたころのことだ。

 

運転免許証更新のために新しいメガネを作ろうと思い立った

4年も前のことをどうして覚えているかというと、その年は5年に一度の運転免許証の更新年だったからだ。僕は優良ドライバーなので、というかほぼペーパードライバーだったので、更新手続きとはいっても事実上、書類を書いて視力検査をして、あとは写真を撮ってもらって新しい免許証ができあがるのを待っている時間に、交通安全教室のビデオを見ているだけの簡単なものになるはずだった。

f:id:roshi02:20160513160658j:plain

ただちょっと心配だったのは視力検査で、法律で定められた結果が得られなければ検査には合格しない。自慢ではないが僕は小学生のころから裸眼視力が弱く、中学生のときからふだんの生活でもメガネをかけていた。それで僕の免許証には付帯条件として「眼鏡」というのが記載されている。つまり、メガネをかけることが条件で自動車の運転が許されていた。

ところがそのころ、いつものメガネをかけていても、なんとなく物が見えにくいなあと感じはじめていたのだ。視界がぼんやりと白く濁りがちで、おまけに黒い点のようなものが飛び回ることもあった。それでも特に生活に困るというほどではなかったので、放っておいたのだが、さすがに免許証の更新手続きの視力検査には、このままのメガネではいささか不安があった。

どうせなら、一度きちんとした視力を測ってもらい、免許証更新に要する検査に合格できる視力のメガネをあらたに作ろうと、まあそれくらいの気持ちでメガネ屋さんに出向いたのだ。

ところが驚いたことに、僕の視力は僕自身が想像していた以上に落ちていることがただちに判明した。正確にいうと、それがわかったのは、メガネ屋さんで新しく購入するメガネのフレームとレンズのタイプを選び、あとは度数や乱視の具合などを決めるため、メガネ屋さんに隣接する提携先の眼科で視力検査をしたときのことだ。

そこではじめて、仮にこれ以上度の強いメガネを作ったとしても、僕の視力は上がらないと言われてしまった。その要因としてまず最初に疑われたのが、白内障だった。一瞬にして、新しいメガネを作るとか運転免許証とかそのための視力検査どころの騒ぎではなくなった。急きょ、先生に精密な検査をしてもらうことになった。

何種類かの目薬を時間を空けて差し、灯りを消した診察室で、先生が僕の目のなかを顕微鏡のような検査装置で覗きこむ。結論から書くと、白内障はもちろん、網膜症という糖尿病からくる合併症のひとつだという病名を告げられた。糖尿病性網膜症。なにより怖ろしいことに、「このままでは失明するよ」とまでいわれたのだ。まさに、がーーーんですよ!

 

糖尿病治療のために眼科で紹介してもらったクリニックで今度は大学病院を紹介される 

いまだから正直に白状すると、白内障だからという冗談ではなく、まさに文字どおり目の前が真っ白になりましたね。そしてついでにいうと、糖尿病かもしれないということに僕はまったくの無自覚だったかというと、実はそれは嘘なんです。まあ自覚というほどではないにしろ、そういう兆候は薄々感じていた。

ちょっとしたことで疲れやすいとか、トイレが(尿の方)異常に近いとか、すぐ喉が渇くとか。いわゆるテレビの健康番組などで紹介される、代表的な糖尿病の兆候とそっくりだなあとは思っていたのだ。ただ、それを認めるのはなかなか怖くて、気づかないふり気にしないふりを続けていただけ。

うんと若いことから偏食の大食いだったし、甘いもの味付けの濃いものがなにより大好きだった。それに、田舎に住む僕の母親もやはり糖尿病で苦しんでいた。弟も糖尿病だった。なのでそういう遺伝的なものはあるかもしれないと内心怖れていた。それが眼科の先生によって、はじめてはっきりと宣告を受けたばかりか、おまけに糖尿病の合併症で網膜症になり、いまや失明の危機さえあるという。

そのとき先生からアドバイスを受けたのは、このクリニックでは治療はおろか検査にも限界があるので、出来るだけ早く大学病院でより精密な検査を受けてみるようにということだ。先生はそのための紹介状も書いてくれた。それと糖尿病の方は、先生が日頃から懇意にしている糖尿病専門の先生がいるからと、そっちのクリニックへも紹介状を書いてくれたのだ。本当にありがたい。

さっそくアドバイスに従うことにして、電話予約の都合から、まず翌日に糖尿病の診察のため小さなクリニックへと出向いた。当日のことはいまでもはっきり覚えているが、きっと僕は顔面蒼白で先生の前に坐ったのだと思う。しばらく問診や内診を受け、簡易測定器で血糖値を測ったところ、なんと血糖値が300をゆっくり超えていた!

ふつう健康な人の血糖値は100以下で、高くても120を下回るのだそうだ。そうだ、と書いたのは、いまでこそ僕も糖尿病の勉強をしてそういう数値に詳しくなったが、その当時は血糖値のことなどそれほど熟知していたわけではなかったので、300といわれてもいまいちピンときていなかったかもしれない。

先生は、紹介状に添えられていた眼科での検査結果のカルテを見ながら、網膜症という合併症も出ているくらいだから、このくらいの数値(血糖値300オーバー)は出るだろうと思っていたけど、といいながらも、それでもやはり少し驚いた様子だった。「これはうちのクリニックではなく、糖尿病の方も大学病院で一度血液検査などの詳しい検査をして、入院治療を受けた方がいいかもしれないねえ」といった。

それで僕が、糖尿病の母親から聞きかじっていた、味気なく続けるのが非常に困難だというカロリー制限食のことが頭をよぎり、それに対する不安を先生に打ち明けたら、先生は笑って(笑ったように見えた)、糖質制限食という糖尿病の新しい食事療法があるのだということを教えてくれた。

 

糖尿病クリニックで糖質制限食という新しい食事療法に出会う

糖尿病の診察で訪れたクリニックの先生に勧められたのが、一般的な糖尿病治療であるカロリー制限食ではなく、糖質を制限するという糖尿病治療のための新しい食事療法だった。それが僕と糖質制限食とのはじめての、そして運命的な出会いであった。

ごくごく大雑把にいうと、と先生は断わってから、毎日の食事のなかで、主食となるごはん、それからパン、ラーメンやうどんパスタなどの麺、芋類、根菜野菜、あとは甘いお菓子、煎餅、ケーキなどのスイーツも食べない、ジュースも飲まないのが糖質制限の基本なのね、といった。

ではいったい何を食べたらいいんですか? と呆れて僕が尋ねると、先生は、野菜炒めをいつもの倍の量食べてもいいし、お魚も大丈夫、牛肉豚肉鶏肉と肉ならなんでも大丈夫、300g のステーキだって平気だし、サラダも山盛り食べて、あとは卵、豆腐や豆類と、とにかく主食を抜く食生活を心がけるようにすればいいから、と事もなげにいった。

ステーキなんて食べてカロリーは問題ないですか? と僕がなおも疑問を口にすると、ごはんやパンを一緒に食べないということはね、その分のカロリーを抑えるわけだから、仮におかずだけでお腹いっぱい食べてもカロリー的には全然問題ないし、そもそも糖質制限という治療法で気にするのは食品のカロリーではなく糖質量なんだから、と。

そうして先生は、糖質制限食に明るい、クリニックに非常勤で勤務する管理栄養士の方の指導が後日受けられるよう、その場で予約を押さえてくれた。さらに、糖尿病の精密検査を受ける大学病院も、わざわざその新しい糖尿病の治療法に理解がある先生がいる病院への紹介状を書いてくれて、その先生の診察日だという日時まで(ちょうど翌日だった!)調べてくれた。本当にありがたい。

一方、失明の危険があるとまでいわれた大学病院での眼科の受診は、糖尿病クリニックを訪れたさらに翌々日になっていたので、どちらかといえばそっち方面で猛烈な不安を抱えながらも、僕は紹介状を携えてまずは糖尿病検査のため眼科とは別の大学病院へと翌日出向いたのだった。

ちなみに、順番は前後するけど、糖尿病検査のために出向いた大学病院にも眼科があり、いちばん最初の運転免許証のために行った眼科クリニックで検査した僕の網膜症のカルテを見た糖尿病の先生が、これは目の方の診察がむしろ緊急を要するからと、同じ大学病院内の別階にある眼科へ、有無もいわさず僕の診察書を回してしまったのだった。

話が少しややこしくなるが、眼科は眼科で、そことは違う大学病院の紹介状を持っていた僕は一瞬戸惑ったが、糖尿病の先生の剣幕に押され、同じ日に網膜症の方もその大学病院で診てもらうことになった。結果的にはひとつの病院で両方が済むことになったわけだからよかったのかもしれない。というか、いま考えるとはじめからそういう運命だったのだろう。

 

できれば教育入院をせずに済ませたいという僕の虫のいい頼みを聞いてもらう

このブログには僕が実践している糖質制限食についての記事を中心に載せるつもりでいたが、どうしてもその前に、なぜ僕が糖質制限食をはじめるに至ったかを書いておかなければ、そうまでして僕が糖質制限にこだわるのか理解してもらえないような気がしたので、長くなりそうですが臆面もなくこの話もう少し続けます。

大学病院での内診と、最初に受診したクリニックでの簡易血糖値検査の数値、そもそもの糖尿病発覚のきっかけとなった網膜症のカルテを見た先生は(いまでは僕の主治医)、ひとまず教育入院を僕に勧めた。勧めたというより、それが必然のように事もなげにいった。

けれど、そのときの僕にとって、急な一週間ちょっとの入院はできれば避けたい状況だった。そこでありのままの事情と心境を先生に打ち明け(さすがにそれまでは書けないが)、きのう聞きかじったばかりの糖質制限療法で糖尿病の治療ができないものだろうかとお願いしてみた。もちろん先生がその治療法に理解があり、むしろ率先して取り入れているということを承知の上でだ。

実は、きのうクリニックではじめて糖質制限という言葉を知った僕は、駅ビルにある大きな本屋さんの健康コーナーで、糖質制限関連の本を探し、これはと思う本を、料理のレシピ本も含めて、数冊買い求めて帰っていたのだ。

さっそくその夜、聞きかじり読みかじりの知識を詰め込み、もうその時点で、一般的なカロリー制限の食事療法でなく、糖質制限の食事療法でいこうと決めていた。そっちの方が簡単そうで、それだけ長く続けられそうだったし(重要!)、なにより医学には門外漢ながら理論上そっちの方が直感的により納得・理解できるような気がしたのだ。

ただひとつ問題は、糖尿病医学会のなかではまだ正式に認められた治療法ではないということだった。というか、反対意見の方が圧倒的に多いということもわかった。が、実際これまでのカロリー制限療法では、なかなか糖尿病をコントロールするのが困難であることは、少なくとも僕は自分の母親の話を聞いて知っていた。

だいいち、糖尿病は一度なったら完治する病気ではなく、生涯病気と仲良くつきあって、病気を上手にコントロールすることが大切なのだ。ということものちのち勉強してわかったことですが。そのためには、やはり自分で根気強く続けられそうな療法を選んだ方がいい。

それに、がん治療などでよく聞く民間療法ともどこか違う感じがした。健康雑誌に載っていた、何かをひたすら食べれば病気がよくなるというやり方とも違う。海外の糖尿病学会では既に正式に認められた治療法であるという知識も仕入れていた。

それといちばん大きかったのは、僕が糖尿病の合併症で網膜症になり、失明の危機に立っているかもしれないということだ。なんというか、失うものはないような気になっていた。実際には逆に、一歩選択を誤れば失うものは大きかったのだけど。そのときは断崖絶壁に立たされ、開き直ったような心境だったのでしょう。

なぜ、糖質を制限すれば糖尿病の治療に効果があるのか、なぜ、糖質制限がダイエットに効果的なのか。それは前にも書いたけれど、医学に門外漢の僕がこのブログで生半可な説明をするつもりはない。読んでくれる人にあまりにも無責任で、不親切すぎると思うのであえて書きません。興味のある方は各人で勉強してみてください。

こうしてなにかの縁でそういう治療法に巡りあったのも、偶然のようでどこか必然のように僕は感じていたのかもしれませんね。というわけで、ずいぶん話が回り道をしたけれど、思い切って先生に、出来れば糖質制限で治療をしたい旨を告げ、そのためのカロリー制限食を勉強するという教育入院はしたくないということを正直に伝えた。

 

糖尿病性網膜症の治療からまずははじめましょうと先生はいった

すると先生は穏やかに微笑みながら、では帰りに採血と採尿をして、その結果を診て次回のときに入院をした方がいいか、せずに済ませられるか判断しましょうといってくれた。糖質制限をするにも、血液検査の数値次第では、他の病気があったり、それが糖質制限をすることによって悪化する場合がある、という説明だった。

それより、先生は、糖尿病性網膜症の方がより重篤だから、すぐ同じ大学病院内の眼科で診てもらうように、といって診察書を回してくれた。これについては前にも触れた。が、あいにく網膜症の専門の先生がいない日で、その先生は常勤ではなく、特定の曜日にだけ大学へ診察に来ているらしかった。それで別の先生が、やはりあの顕微鏡を横に寝かせたような装置で、僕の目の状態を診てくれることになった。

そうして最初の眼科クリニックの先生と同じように、このまま放置していたら失明するかもしれませんね、とクールにいった。次回網膜症の先生が診察に来る日、蛍光眼底検査という、手術ではないが本人の同意書が必要なより精密な検査をします、と告げられた。否も応もなく、あとからその同意書なるものにサインを求められた。

運転免許証のための視力検査が、たちまちなんだか大変なことになってしまったなあと思いながらも、むしろここまで来たら開き直って糖尿病も網膜症もなんとかまだ現状でできる最大限のコントロールをしていこうと密かに決意しつつ、診察のあとロビーでいわれるままに検査同意書にサインした。震えるくらい怖かった。それから、糖尿病の先生にいわれたように、採血と採尿を済ませその日は帰宅した。

書き忘れてましたが、当初、別の大学病院の眼科に提出するはずでメガネ屋さんの隣の眼科の先生から作成してもらった紹介状は、そんなことしてよかったのかいけなかったのかわかりませんが、結局、糖尿病を診てもらった商売敵のよその大学病院の眼科で、つい求められるまま提出してしまったけれど、それも時効ですかね。

 

ヘモグロビン・エイワンシーという血糖値の数値について

土日を挟んで次回の採血と採尿の検査結果を見ながらの診察日まで、自分なりに勉強してにわか糖質制限に取り組むことにした。クリニックでいわれたように、とにかく野菜炒めをお腹いっぱい食べ、あとは魚と豆腐や卵、チーズ、豆と、なんだかよくわからない取り合わせの食事をとった。ただ、食事の全体量を我慢しなくていいので、これなら簡単に続けられそうとそのときは安易に思った。

f:id:roshi02:20160513180603j:plain

さていよいよ、カロリー制限を主眼とした入院治療をした方がいいのか、それとも糖質制限食で治療をするのか、今後のことが決定する血液検査でしたが、べつに勿体ぶるつもりもないのであっけなく書いてしまうと、糖質制限で問題なし、という結論がでました。よかったです。少しほっとする。


コレステロールや中性脂肪、そしてなにより血糖値の結果などはすこぶるつきで悪かったのだが、腎臓などの病気の数値が決してよいとはいえないまでも、糖質制限をこのまま続けてかえって危険だというレベルではどうやらなかったようだ。

あまり具体的な数値まではここに書くつもりはなかったのですが、一般的な血糖値は、採血をしたそのときの瞬間の血液中に含まれる血糖の値で、それはまだ200以上あり、完全な糖尿病の数値を示していた。それよりむしろ、HbA1c(ヘモグロビン・エイワンシー)という、およそ2ヶ月間の血糖の平均値をみる数字が、健康な人で 4~5前後の数字なのに対して、僕は10.7と、なんと倍以上の驚くべき高さだった。

それでも、入院はせずに済んだ。ただし、と先生はさっきまでとはいくぶん強張った表情でいった。まず、やはりインスリン注射はしなくてはならないこと。その量は少しだった(これもあとから知った)が、ああ、とうとう僕もインスリン注射の仲間入りかあ、と不思議に感慨深かったですね。でも糖尿病をコントロールするためにはやむを得ないとこれを素直に受け入れる。

もちろん、その他にも数種類の飲み薬は出た。それと本来なら教育入院で受講するはずの、糖尿病についての基礎知識、是非とも知っておかなければならない知識を学習する座学には、その病院の規定通り参加すること。というのが絶対条件だった。それに関しては、むしろ僕はとてもありがたかった。

糖尿病というのがどれほど恐ろしい病気か、現に僕はすでに網膜症という合併症を発症させ、失明の危機に立たされていたわけだから、いかに病気をこれ以上おおごとにせず上手にコントロールするかを貪欲に勉強したかった。

風邪など別の病気のときはどうするか。万が一、低血糖といういつもと逆の症状が出たときはどうするか、とか。振り返ってみると決して大げさではなく、なんだか生まれてはじめて自分の体に正面から向き合い、真剣に考えた教室だったと思う。

そういうセミナーに土曜日を利用して参加し、ふだんの生活では糖質制限食をわかる範囲で続けていった。はじめのクリニックで予約してもらった管理栄養士さんによる、糖質制限の具体的な方法も学び、それらもすぐに実践した。

自分でも、糖質制限を推進している先生の本をさらに何冊か買い足し、理論やその実践方法をより深く勉強した。どういう食材や調味料にどのくらいの糖質が含まれているのか、一覧でわかる表も肌身離さず持ち歩き、糖質制限的にOKな食材とNGな食材をいちいち覚えていった。料理のレシピ本も買った。糖質制限というと、いまや即効性のある流行のダイエット法だという印象があるかもしれないが、僕にとってはまさに命がけの糖尿病治療法なのだ。

先のことを書いてしまうと、最初に大学病院で採血したときの HbA1c(ヘモグロビン・エイワンシー)の値10.7が、一か月後には7.6に、さらに6台、5台と、その数値だけを見るかぎりもはや糖尿病ではない人と変わりないくらいの数値にまで下がった。

むろん、ふだんの血糖値も100前後で落ち着いている。そうしてうれしいことに、インスリン注射も最近になって、とうとうやめることができたのだ。僕にとっては、だから糖質制限は糖尿病治療に効果的だったということが、いま現段階ではいえるが、それは大学病院できちんと検査を受け、専門の先生の指導のもと続けているからです。

そのことはどうか、絶対勘違いしないでほしいですね。たまたま僕には効果があったが、これが誰にでも同じ効果があるとは限らないし、むしろかえって危険な状態にならないという保証はどこにもないわけですから。

なので、僕は安易に糖質制限を他人には勧めません。必ず糖尿病の先生に一度診てもらい、相談してからにしてください。ダイエットについても、同様です。糖質をとらない食事というのが、もしかしたらその人の体質には合わない方法かもしれません。絶対安易にとびつかないで。先生に相談の上はじめてください。

僕の糖尿病コントロールはさいわいいまのところうまくいってますが、実は糖尿病性網膜症の方は、なかなか一筋縄ではいかなくて、そっちの方は大学病院での蛍光眼底検査からこっち、失明の危機から紆余曲折があった。次回からはもう少しそのあたりのことについて書いてみたい。

糖質制限からは少し離れてしまうテーマですが、それも結局とのころ、糖尿病が安定してこその僕の目、ということなので。

 

糖尿病性網膜症の治療のためのレーザー治療は泣くほど激痛だった

詳しい話は省くが、蛍光眼底検査というものをやってみた結果、やはりというか、あらかじめ想定された通り、僕の目は糖尿病の合併症である糖尿病性網膜症であることが正式に確認された。

すごく大雑把にいうと、目のなかの細い血管が詰まって、それが至る所で破れた状態だった。それはもう元の健全な状態に戻ることはなく、出来ることは(早急にやらなければならないことは)、せめていまの状態で病状を食い止めることだけ。

具体的にはレーザー治療で、まあこれもざっくり説明すると、目の網膜にレーザーを照射し、血管の破れをひとつひとつ地道に塞いでいくというもの。僕の場合、破れた血管が多すぎて、一日のレーザー治療では到底全部は無理なので、それぞれの目で何回かに分けて治療を行うことになった。

気になる費用は、両目で5万では足りないくらいかかるといわれた。ただし、一回ごとに幾らではなく、たとえ何回かに分けて施術があっても、支払う費用はそれぞれの目のレーザーがはじまって終わるまでは一回分ということになる。

今度ははっきりと手術だったので、またもや同意書にサインを求められた。否も応もない。たとえ何があっても、どのみち同意しなければ失明してしまうのだから。さっそく最初の施術日を決めた。そしてなんと当日は、レーザー照射がけっこう痛いらしいので麻酔をすることになった。

この麻酔というのが目のなかに注射をするのだ。それをはじめて聞いたとき、僕は猛烈に怖くてぶるぶる震えた。麻酔の注射自体が痛いじゃないか。でもね、安心してください。実はこの麻酔注射をするための麻酔というのがあって、それは点眼麻酔だったのだ。実際、点眼麻酔をしたあとは、注射針が目のなかに突き刺さっても、全然痛みはなかった。さすがに怖さまでは消えないけどね。

で、ここからだいぶ端折って書くと、片目だけでそれぞれ3回ずつに分け、都合6回で(どっちかの目だけはもう 1 ~ 2 回多かった)無事レーザー治療は一応終った。一応というのは、とりあえずいま破裂している血管を塞いだだけで、今後もつねにそういう恐れはあるよ、ということだ。

それもこれも、すべては糖尿病のコントロール次第。レーザー治療は、人によってもその症状によっても違うらしいが、僕は例の目のなかの注射麻酔をしても、毎回泣くほど痛かったですよ。痛かったけど頭を動かせないように固定されていたので、逃げるに逃げられなかった。歯を食いしばって耐えるしかなかった。正直、もう二度とやりたくない。

いま現在も糖尿病の診察とは別に、眼科の方へも定期的に通院しているが、どうやら症状は安定しているらしい。ただ、この間、左右両目の白内障の手術でそれぞれ2泊3日の入院をした。白内障手術の後遺症が出て、また別のレーザー治療をするかどうか、実はいまも決断を迫られている(後日レーザー治療した)。

肝心の視力は、結局元へは戻らなかったですね。残念ながら、糖尿病と網膜症の発覚の発端となった、運転免許証の更新手続きですが、とうとうレーザー治療などの処置がすべて済むまでに、更新期限が切れてしまい、僕が弱冠19歳のとき20万円弱をはたいて夏休み一杯自動車学校へ通い取得した自動車運転免許証は、あっけなく失効してしまいました。

もっともいま現在でも、両目で免許交付に必要なだけの視力が安定的に確保されていないのだからそれもやむを得ないのだ。こういういい方が正しいのかどうか、失明しなかっただけでも儲けものだったと思うほかない。

ということで、この話もずいぶん長くなった。でも、僕がどうして糖質制限にこだわるのか、そのことがこれで少しは理解してもらえるとうれしいです。  

roshi02.hatenablog.com