ヒロシコ

 されど低糖質な日日

縁結びに御利益がある伊勢神宮や出雲大社に都内に居ながら日帰りで参拝できる方法教えます

江戸時代の庶民にとってお伊勢参りは一生に一度あるかないかの楽しみだった。道中の宿泊費などを工面するのはそうとう大変だっただろうしなにより江戸から伊勢まで徒歩で往復一ヶ月近くもかかったと言われるから無理からぬこと。現代では新幹線や夜行長距離…

話題のブックカフェ「梟書茶房」に行ってきた~池袋Esola(エソラ)4Fに誕生した都心の癒し空間

ようやく梟書茶房(ふくろうしょさぼう)に行ってきた。本とコーヒー好きにはたまらない話題のブックカフェ。オープンしたのは今年(2017年)の6月30日だから遅れることはや半年。その間SNS上で目にする評判に逸る気持ちばかりが膨らんでいた。場所は池袋Eso…

『たゆたえども沈まず』(原田マハ)を読んだ感想と『ゴッホ展 巡りゆく日本の夢』を見た感想

原田マハさんの『たゆたえども沈まず』を読んだ。世界一兄孝行な弟として有名なオランダ人テオドルス・ファン・ゴッホ(テオ)。彼と生涯の親友になった日本人青年・加納重吉。ふたりの異邦人の目を通して語られるパリは台頭するジャポニズムや印象派といっ…

『フロスト始末』(R・D・ウィングフィールド)を読んだネタバレ感想&フロスト警部シリーズを振り返って

「さようならフロスト警部。そしてありがとう」僕が小説の作者ではなくその主人公にこう語りかけたくなったことをR・D・ウィングフィールドさんが聞いたらはたして彼は草葉の陰でよろこんでくれるだろうか? フロスト始末 上 (創元推理文庫) 作者: R・D・…

『ゴッホ~最期の手紙』と『運慶展』

夜には雨が降るでしょうと天気予報はいっていた。久しぶりの休日で午前中はゆっくり寝て過ごし昼前に折りたたみ傘を携帯して家を出た。向かう先は上野。陽は差していないけれど風がないぶん思ったほど寒くは感じなかった。上野での目的はふたつ。ひとつはで…

『ブレードランナー2049』少しネタバレ感想~結局ブレランは『猿の惑星』になってしまうのか?

『ブレードランナー2049』(ドゥニ・ヴィルヌーヴ監督)を見た。いわずと知れたリドリー・スコット版の続編。前作は2019年の未来の世界を描いたSFだったがその2019年もうかうかしているうちにあと1年余りと迫ってきた。あの頃の未来に僕らは立っているのだろ…

『罪の声』(塩田武士)を読んだネタバレ感想~グリコ・森永事件の犯人たちの家族や遺族は実際いまどうしているのだろうかと思わずにいられない

「どくいり きけん たべたら しぬで かい人21面相」かつてこんな文面が連日テレビのニュース番組や新聞紙面に踊ったことがあった。「グリコ・森永事件」。大手食品会社を脅迫しては多額の金銭を奪い取ろうとした昭和史を揺るがす大事件だ。グリコの社長を誘…

『猿の惑星:聖戦記(グレート・ウォー)』結末まで完全ネタバレ感想~まだまだ猿の惑星にはならないかもよ

『猿の惑星:聖戦記(グレート・ウォー)』を見た。「創世記」「新世紀」と続く『猿の惑星』プリクエル(前日譚)三部作の第三弾。面白いよねえこのシリーズ。すごく楽しかった。返す返すも本作が最後だなんて寂しい限りです。「そして(地球は)猿の惑星と…

小説『君の膵臓をたべたい』(住野よる)結末まで完全ネタバレ感想

住野よるさんの『君の膵臓をたべたい』(kindle版)を読んだ。最初に言い訳みたいな話を書きます。実はこれスマホのkindleアプリから1-Clickで買ったらしいのだ。らしいというのは僕にはそもそもこの本を買うつもりも買った記憶もまるでなかったから。なのに…

『ドリーム』ネタバレ感想~時代の扉を叩き壊した3つのハンマー

『ドリーム』を見た。時代はまだ米ソ冷戦期の1960年代。宇宙開発においても互いにしのぎを削る両国。人工衛星の打ち上げ成功で一歩リードしたソ連に対しアメリカのNASAでは有人宇宙計画(マーキュリー計画)へのプレッシャーがますます高まっていた。その宇…

『ダンケルク』(クリストファー・ノーラン監督)感想~イギリス版「二百三高地」みたいな話

『ダンケルク』(IMAX版)を見た。第二次世界大戦のさなか。迫り来るヒトラーのドイツ軍によってフランス北部の小さな港町ダンケルクに追い詰められた英仏連合軍40万人の兵士たち。陸地の三方を包囲され残された脱出経路は船でドーバー海峡を渡りイギリス本…

カズオ・イシグロ『わたしを離さないで』ネタバレ感想~ベストセラー小説の映画化

今年のノーベル文学賞(10月5日発表)は長崎県出身の日系イギリス人作家カズオ・イシグロさんに決まった。まったく予期してなかっただけに驚きとともに率直に言ってうれしい。イシグロさんの代表作とされる『日の名残り』も『わたしを離さないで』も僕の大好…

『ボクたちはみんな大人になれなかった』(燃え殻)を読んだ感想~キミは大丈夫だよ、十分大人だもん

燃え殻さんの『ボクたちはみんな大人になれなかった』を読む。秋の夜長でなくてもあっという間に読める。面白かった。主人公は専門学校を出てエクレア工場のアルバイトからテレビ業界の裏方へと転身した43歳のボクだ。ある日地下鉄の車内で昔つきあっていた…

『死ぬほど読書』(丹羽宇一郎)を読んだ感想~いい本だとおすすめできない理由があるので人にはおすすめしませんが

『死ぬほど読書』を読む。著者は丹羽宇一郎さん。伊藤忠商事の社長・会長など歴任されたあと中華人民共和国駐箚(ちゅうさつ)特命全権大使を務めた方。現在は早稲田大学特命教授。その丹羽さんによる「死ぬほど」の読書論。かと思って読むといささか肩透か…

『蜜蜂と遠雷』(恩田陸)を読んだネタバレ感想~はじめてのkindle本がこれで大正解だった

恩田陸さんの『蜜蜂と遠雷』を読んだ。タイトルにあるとおり僕にとって初めて読むkindle本。正確にいえばスマホのkindleアプリでは青空文庫の冒頭部分だけとか、恣意的に抜き取った部分をパラパラ飛ばし読みで、とかいうことは過去にもあった。が全編とおし…

『新感染ファイナル・エクスプレス』ネタバレ感想~ゾンビと遷ろうメタファー

ヨン・サンホ監督の『新感染ファイナル・エクスプレス』を見た。素晴らしい! 面白い! 大傑作といってもいいんじゃないかなあ。とんでもなく怖いしなぜか笑えるし随所で泣かされる。まさに五感を刺激されまくりのハイスピードムービーだった。感嘆すべきB級…

『渡良瀬』(佐伯一麦)を読んだ感想~昭和のおわりから平成のはじめ「自粛の季節」の私小説

~佐伯一麦さんの『渡良瀬』を読んだ。東京で電気工をしていた主人公の南條拓。長女の緘黙症(特定の場面や条件で話せなくなる症状)と長男の川崎病そして自身のアスベスト禍による後遺症に悩まされつづけ妻の幸子はかつて拓が文芸誌の新人賞をとったことも…

嫌われ政次の一生~『おんな城主直虎』高橋一生さん退場の巻あらすじと感想ついでに最終回のサブタイトルも予想しました!

日曜日の夜。大河ドラマ『おんな城主直虎』(第33回)高橋一生さん退場の巻を見る。いやあ面白かったなあ。すばらしく面白かった。面白いといっても涙なしにはとてもじゃないが見られなかった。もう滂沱の涙涙涙であった。いま僕が見ている唯一のテレビドラ…

牛乳石鹸のCMのお父さんがもし西島秀俊さんだったら

こんな辺境ブログへたどりつくみなさんのことだから例の牛乳石鹸のWEBムービーに対する反応の過熱ぶりにはいささかうんざり気味というかはっきり飽きている頃なんでしょうね。 までもいちおう念のためリンク張っときます。 牛乳石鹸 WEBムービー「与えるもの…

タイムマシンが発明されたらやってみたい10のこと(10以上あるけどね)

昔の自分に戻ってやり直したいとかいつのころなら戻ってもいいかという話になっても僕には戻りたいと思う過去などない。ましてや清算したいと思う過去なんてものもない。誤解しないでほしいのはだからっていまがいちばんいいわけでもいまのままで十分満ち足…

世界中のありとあらゆる小さな物語のうちで僕がくり返し思い出すもっとも大好きな物語

いまそこにある危機 72回目の終戦の日を前に米朝の緊張はよりいっそう増し、まさに一触即発さながら両政府首脳のチキンレースの様相を帯びてきた。すでに日本政府は内閣官房の国民保護ポータルサイトで、もし北朝鮮から発射された弾道ミサイルが日本国内に落…

『サマーウォーズ』感想(劇場公開時の感想です)

8月18日の金曜ロードSHOWには『サマーウォーズ』が登場する。もはやこのアニメ映画のテレビ放映も日本の夏の風物詩となりつつある。ということはさておき、こっちも恒例になりつつある「僕が以前やっていたブログからこの映画を劇場公開時に見たときの感想を…

ジョディ・フォスター『君がいた夏』感想~夏の終わりに見るべき映画とミスチルの1thシングル

ただいま公開中のdocomoのCМご覧になりましたか? 「Mr.Children&docomo 25周年ムービー」と銘打たれたそのCМは25年前の夏の渋谷のスクランブル交差点から始まる。主演の高橋一生さんと黒木華さんの出会いと別れ再会そして結婚・出産・子育て・単身赴任を…

ジャパネットたかたで買った新しいルームエアコンがやって来た

買ってから10年以上経つエアコンの調子がすこぶる悪かった。ふだん電気関係のことでなにかと面倒を見てもらっている町の電気屋さんに来てもらった。さすがにもう古すぎて室外機がほぼ使いものになりませんねと最後通告を受けた。数週間前のまだ7月になったば…

夏の土用の丑の日のうなぎと『her/世界でひとつの彼女』~あるいは代替品といわれるものの悲しみについて

昨日7月25日は夏の土用の丑の日だった。例年わがやでは、商店街の外れにある割烹の店先で焼いているウナギの蒲焼きと白焼きと、それに肝の串焼きを少しだけ買って家族4人で分けあって食べることにしている。今年の土用の丑の日はおもいのほか蒸し暑さ全開で…

訪問販売の屋根修理詐欺に遭いかけた話

「屋根修理詐欺」というよくあることなのか非常に珍しいことなのかわからないけれどともかくそいう詐欺に遭いそうになった。あとから振り返るとこれがなかなか面白い話だったので(実害がなかったからいえることだが)記録的な意味もこめて時系列に沿って事…

『ミレニアム4 蜘蛛の巣を払う女』ネタバレ感想

『ミレニアム4 蜘蛛の巣を払う女』を読んだ。同シリーズは第1部『ドラゴン・タトゥーの女』第2部『火と戯れる女』そして第3部『眠れる女と狂卓の騎士』と順調に3部作が刊行されてきたがその時点で物語はまだ完結したとは言い難かった。ところが著者のスティ…

Amazonプライムデー2017に参加してKindle paperwhiteを買った

福岡と大分を襲った九州北部豪雨の被害はいまだ全貌がつかめないまま、すでに多数の死傷者や家屋の倒壊・集落の孤立などまさに壊滅的な様相を見せている。「被災地」という言葉がけっして他人事ではなく、次いつ自分が住む町や地域に冠せられるやもしれぬと…

映画は途中からでも構わず見て次回見はじめたところまで見て帰るのが当たり前だった

映画が好きだという人は僕の周囲にも案外たくさんいる。そういう人と話をするとたいてい家のテレビやパソコン・タブレット・スマホ等でDVDやBlu-rayを見たり映像配信サービス(AmazonプライムビデオとかWOWOWオンデマンドとか)で好きな時間に好きな映画を見…

金曜ロードSHOW!「2週連続 夏はジブリ」第1弾『借りぐらしのアリエッティ』第2弾『思い出のマーニー』ネタバレ感想

7月7日と14日の2夜連続でジブリの『借りぐらしのアリエッティ』と『思い出のマーニー』が金曜ロードSHOWに登場する。そこで僕が以前やっていたブログから2作品を劇場公開時に見たときの感想を一部加筆修正して再投稿します。この企画もできれば恒例にしたい…