ヒロシコ

 されど低糖質な日日

『ドリーム』ネタバレ感想~時代の扉を叩き壊した3つのハンマー

『ドリーム』を見た。時代はまだ米ソ冷戦期の1960年代。宇宙開発においても互いにしのぎを削る両国。人工衛星の打ち上げ成功で一歩リードしたソ連に対しアメリカのNASAでは有人宇宙計画(マーキュリー計画)へのプレッシャーがますます高まっていた。その宇…

『ダンケルク』(クリストファー・ノーラン監督)感想~イギリス版「二百三高地」みたいな話

『ダンケルク』(IMAX版)を見た。第二次世界大戦のさなか。迫り来るヒトラーのドイツ軍によってフランス北部の小さな港町ダンケルクに追い詰められた英仏連合軍40万人の兵士たち。陸地の三方を包囲され残された脱出経路は船でドーバー海峡を渡りイギリス本…

カズオ・イシグロ『わたしを離さないで』ネタバレ感想~ベストセラー小説の映画化

今年のノーベル文学賞(10月5日発表)は長崎県出身の日系イギリス人作家カズオ・イシグロさんに決まった。まったく予期してなかっただけに驚きとともに率直に言ってうれしい。イシグロさんの代表作とされる『日の名残り』も『わたしを離さないで』も僕の大好…

『ボクたちはみんな大人になれなかった』(燃え殻)を読んだ感想~キミは大丈夫だよ、十分大人だもん

燃え殻さんの『ボクたちはみんな大人になれなかった』を読む。秋の夜長でなくてもあっという間に読める。面白かった。主人公は専門学校を出てエクレア工場のアルバイトからテレビ業界の裏方へと転身した43歳のボクだ。ある日地下鉄の車内で昔つきあっていた…

『死ぬほど読書』(丹羽宇一郎)を読んだ感想~いい本だとおすすめできない理由があるので人にはおすすめしませんが

『死ぬほど読書』を読む。著者は丹羽宇一郎さん。伊藤忠商事の社長・会長など歴任されたあと中華人民共和国駐箚(ちゅうさつ)特命全権大使を務めた方。現在は早稲田大学特命教授。その丹羽さんによる「死ぬほど」の読書論。かと思って読むといささか肩透か…